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2006年03月14日(火)
「疑惑の判定」と「野球大国」の良心

共同通信の記事より。

【野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次リーグの米国−日本で、西岡(ロッテ)のタッチアップでの生還の判定が覆ったことは、13日付の米各紙でも取り上げられ、判定変更に批判的な論調が目立った。
 USAトゥデーは試合展開よりも、事の経緯を詳しく紹介し「テレビのリプレーを見る限り、西岡の判定を変えたのは間違いである」と主張。ニューヨーク・タイムズ紙は「野球を通じて友好を深めるはずの大会で、最初の事件が起きた」と批判した。 】

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 いやほんと、あの「疑惑の判定」はあんまりでした。目の前で見ていた塁審のジャッジを無視して、いきなりアウトに判定が覆るなんて…何度VTRを再生してみても、「あの西岡選手の離塁のタイミングがアウトなら、ルールブックのほうが間違ってるだろ!」と言いたくなるほどの酷い判定。ましてや、あの8回表の日本の攻撃は、まさにこの試合の「ヤマ場」でしたからねえ…
 僕もずっと怒り心頭で、「何が野球大国アメリカだ!」とものすごく憤っていたのです。まったく、八百長大国じゃないか、と。
 この共同通信の記事を見て、僕も最初は「当たり前だろ」と思ったのですが、その一方で、「でも、日本のスポーツ界というのは、これを『他人事』として罵倒できるのか?」という気が少しずつしてきたのです。
 記憶に新しいところでは、あの「亀田3兄弟の長男のローブロー」なんて、多くのメディアでは、「亀田がボディに猛然とラッシュしてKO」と平然と伝えられていましたし、何年か前のK−1の武蔵選手の試合なんて、「これでドロー?!」とか「これで判定勝ち?」なんていうのが何度もありました。オリンピックなどの国際試合での日本の解説者は、判定そのものに疑問が残るようなものでも、日本に有利な判定の場合、「いやーラッキーでしたね。でも、審判は絶対です!」なんてサラッと流してしまうことがほとんどのような気がするのです。メディアもまた然り。日本が有利な「疑惑の判定」については、「これもまたスポーツの一面なのだ」とか書いてスルーしまくり。「ボクシングやK−1は『興行』だろ?」と言われそうですが、このワールド・ベースボール・クラシック(WBC)だって、2次リーグからは、「野球大国」アメリカで行われる「興行」とも言えるわけです。万が一、この2次リーグでアメリカがアッサリ敗退するようなことがあれば、アメリカの人々はしらけきってしまって、興行としても失敗するのは目に見えていますし、「メジャーリーグの国」の威信はズタズタになってしまうでしょう。
 でも、アメリカのメディアは、そういう破綻をもたらす可能性があるにもかかわらず、「自分の国の過ち」に対しても、こうやって、声を挙げる姿勢を持っているのです。もちろん、全部のメディアがそうなのではなく、こういう「反体制メディア」が取り上げられているだけなのかもしれませんが。
 あの審判は無能だと思うし、ああいう場面でビデオを使用しない頑迷な姿勢には疑問が残るし、何より、あんないい試合があんな判定でぶち壊しにされてしまったことには憤りを感じますが、それでも、「アメリカの恥知らず!」と言い切れるほど、日本のスポーツ界やスポーツメディアは立派なものではないと思えて仕方がありません。

 もちろん、準決勝でアメリカには完膚なきまでに「お返し」を!
 ……って、アメリカ、韓国に惨敗してるんですけど……