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2005年09月08日(木)
実の弟(オタク)への禁断の「家庭科講義」

「週刊アスキー・2005.9.6号」の読者投稿のページ「週アス女子部」より。

【実の弟(オタク)に家庭科講義

 独身で両親と同居中の弟の部屋はフィギュアやポスターで埋め尽くされ、誰が見ても”オタク道”まっしくら、中でもひときわ目をひくのが2体の等身大フィギュアです。
 1体は『エヴァンゲリオン』のアスカ、もう1体はイージーオーダーです。奴らの存在感たるや半端ではなく、背は私より高く、身体はジュニアサイズのくせして胸とお尻だけが「♪98、98〜」の世界です。
 母は当然マジギレ状態で、「あんまりお母さんを刺激しないように」が私の口癖というありさまです。
 先日その弟からめずらしく電話がありました。「洋服をオーダーする時ってどこを計ればいいの?」。礼服でもつくるのか? 察しのいい週アス女子部読者のみなさまはピンときたでしょうが、つい常識的な発想をする私。そう、つくるのは2体目の彼女のお召物だったのです。今までは人間用と、専用既製品で済ませてたのに……トホホ。

私「まさか人間用テーラーで?」

弟「コスプレ用専門店があるんだ」

 かくして家庭科(被服)の講義開始。胸囲・胴囲・腰囲は基本で、デザインによって首・腕・脚まわりと丈の採寸が必要であること、さらにゆるみも……。

私「人間の場合は動くから、静止時の寸法だけじゃダメなわけよ」

弟「でも、フィギュアは動かないから、その点は大丈夫だね」

私「……(フォロー不可)。コスプレってみんな自分でつくるじゃん。人間用の型紙もあるし、やってみれば?」

弟「専用キットもあるんだけど、それじゃいつになるかわからないし」

私「そりゃそうだ」

 と、前向きなんだか不毛なんだかわからないやりとりが続き……。

私「めんどうだから(店に)本体持っていけば?」

弟「それは大変だろうから、計ってこいって」

私「(フリダシに戻るって感じ)上(半身)と下を分けて持ってけば?」

 そういう構造ではないらしい。

私「で、いったい何をつくる気?」

 言いにくそうに「レオタードなんだけど」。……なんか一気に脱力感です。最初に訊くんだった。ついでに予算も白状させたかったのですが、その後の展開を警戒してか奴は決して口を割りませんでした。
 次回の帰省は非常に楽しみなのですが、母の血圧だけが気がかりな今日このごろです。(東京都 るーく)】

〜〜〜〜〜〜〜

 まあ、お姉さんも「週アス女子部」にこれをネタとして投稿されているのですから、オタクに理解があるというか、嫌いじゃないとは思うんですけど。
 それにしても、この話を読んで、「オタク道」を貫くのも、けっこう大変なんだよなあ、と思いました。だって、考えてみてください。いくら好きでも、実の姉に「等身大フィギュア」のための採寸のしかたを尋ねるなんて……こういうのって、身内にはかえって頼みにくいもののような気がしませんか?
 僕だったら、絶対に直接店に持って行くと思います。

 …と書いてみたのですが、「実物大フィギュア」を抱えて店まで行くのは、なかなか辛いですよね。解体不能みたいだし(家に運ばれてきた状況も、けっこうすごいと思う)。そんな大きくて怪しげな箱を抱えたまま街を歩くくらいなら、やっぱり、「採寸の仕方」を聞いたほうが早そう。
 しかし、こういうときに誰に尋ねるかというのは、悩ましいところです。そういえば、僕も大学時代に、学園祭の出し物で女物の下着を買わなければならないことがあって、ものすごく困惑したものでした。当時、彼女がいれば事情を話して買ってもらうこともできたのでしょうけど、残念ながら僕とその友人たちはみんなフリーすぎるほどフリーで。
 ただ、そのときに「身内」という選択肢はなかったなあ、やっぱり。
 身内だからこそ、かえって恥ずかしいという気持ちもあると思うんですよね。
 結局そのときは、女性の先輩に泣きついてしまったのです。
 ましていわんや、フィギュアのレオタードをや。

 家に飾ってあるということは、身内にはカミングアウトしているのだとしても、「身内に直接尋ねる恥ずかしさ」と「自分のフィギュアにレオタードを着せてあげたい気持ち」を天秤にかけて、「レオタード」が勝つというのは、よっぽど好きじゃないと、考えられないことでしょう。
 「オタクを貫いて生きる」というのは、なんだか軟弱そうなイメージがあるのだけれど、現実には、よっぽど硬い意志がないと不可能な、ストイックかつ厳しい道なのかもしれません。