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2005年08月20日(土)
売れる表紙、売れない表紙

「日経エンタテインメント!」2005年9月号(日経BP社)の特集記事「ベストセラーの暗号」より。

(「05年上半期ベストセラーのデータ編」の一部です。)

【次に表紙を見てみよう。出版会でよく言われるのは「白い表紙は売れる、黒い表紙は売れない」という法則だ。なるほど、今回の調査でも白45%に対して、黒10%。白優勢という結果になった。黒い表紙は書店の平台で目立たないため避けられることが多いそうだ。
 注目すべきは、水色を含めた青系統の表紙が急増している点。90年代の0%から一気に30%へとシェアを広げた。青系表紙のセカチュウ(『世界の中心で、愛をさけぶ』)や綿矢りさ『蹴りたい背中』がベストセラーになった影響がうかがえる。さらに「かつてはタブーとされていた」という、写真表紙の小説の増加もセカチュウ以降の現象といわれている。】

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 ちなみに、2005年上半期のベストセラーランキングには、ノンフィクションでは「頭がいい人、悪い人の話し方」「問題な日本語」「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」「電車男」(ノンフィクション、なのか…?)などが含まれており、フィクション(小説)には、「ダ・ヴィンチ・コード」「もっと、生きたい…」「半島を出よ」「対岸の彼女」などが含まれています。この「日系エンタテインメント!」の特集記事には、実際にこれらの「ベストセラー」の表紙が並べられているのですが、確かにこれらの本が並んでいると「表紙が白っぽい本が多い」のですよね。「電車男」とか「夜のピクニック」なんて、「真っ白」な感じだし。逆に「黒っぽい表紙のベストセラー」は、江國香織さんの「東京タワー」くらいでした。
 これだけ「白っぽい表紙の本」が多いとすれば、かえって黒系統のほうが目立つんではないかという気もするのですが、確かに、こうやってたくさん本を並べられてみると、白っぽい表紙に濃い字でタイトルが書かれている本のほうが、タイトルがスッと目に入ってくるような感じがするんですよね。有名作家の新刊本ならともかく、書店で平積みにされた本を手に取ってもらうためには、「表紙の色」というのは、けっこう重要なファクターみたいなのです。とくに「実用書」には、白っぽい表紙の本が多いようです。
 ところで、僕はこれを読んでいて、そういえば「世界の中心で、愛をさけぶ」の表紙って、どんな感じだったかな」と考えていたのですが、なかなか思い浮かびませんでした。(ちなみにこれが「セカチュウ」の表紙
 うーん、これって青系?とか思うのですが、この本の場合は、帯の柴咲コウさんの推薦文が効いたといわれていますし、そういう意味では「青系」なのかなあ…『蹴りたい背中』や『いま、会いにゆきます』は、確かに「青い表紙」なんですけど。
 それにしても、「本の表紙」というのは、思った以上にいろいろな要素を考えてつくられているものなんですね。単に「キレイならいい」というものでもないみたい。CDみたいに「ジャケ買い」されるようなことは、あまり無いような気がするのだけれども、実は、「第一印象」に、けっこう影響されているものなんですね。