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2005年06月16日(木)
過剰に「管理」したがる人々

共同通信の記事より。

【大阪府警泉北署は15日、恐喝の疑いで同府堺市上之、駐車場管理人(61)を逮捕した。
 この管理人は駐車場内の管理人事務所前に「不法侵入など厳禁。見つけ次第罰金1万−3万円徴収のこと」などと書かれた看板を掲げ、契約していない車が入ってくると運転手に駆け寄って“罰金”を徴収した上、住所や氏名のほか母印まで押させていたという。
 調べでは、容疑者は5月20日夕、同市豊田の駐車場で、同市の女性(31)の軽乗用車が方向転換する際に車の前半分が駐車場を入ったことに対し「罰金を払え」と脅し、3000円を脅し取った疑い。
 同署によると、4月から計7人が同様に計6万3000円を脅し取られたと相談に訪れていたという。】

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 この記事を読んで、僕の前の職場の近くにある、「一風変わった管理人のいる駐車場」の話を思い出しました。
 その駐車場は、舗装されていなければ、ラインも引いていない、単なる「空き地」なのですが、それでも、その病院の近くには駐車スペースが少ないこともあって、借りている人はけっこう多いのです。でも、そこの管理人さんは、すごく怖い人で、誰かが歩いてその駐車場を通り抜けようとすると「ここは私有地だから、勝手に入ってくるな!」と「侵入者」をヒステリックに追い掛け回すそうなのです。実は僕も、転勤前で荷物をたくさん抱えていたときに、ダンボールを抱えたまま、魔がさしてそこを通って自分の車が置いてある駐車場までショートカットしようとしたために、さんざんイヤミを言われて、「ここはウチの土地ですからね!」とイヤミを言われて、不快な思いをしたことがあります。そりゃあもう、私有地ですから、通るほうが悪いのだし、そういうことが頻繁にあれば不愉快だというのはわかるんだけど、なんだか、「人間ってやつは、土地とか持ってたらロクなことにならんなあ…」というような感想を持ちつつ、心の中で悪態をつきまくっていたんですけどね。
 ところで、駐車場にはよく「違法駐車は、金1万円申し受けます」とか書いてあるわけですが、実際に僕はそういう目にあったことはないし(というか、めんどうなことはキライなので、違法駐車などはしないようにしています)、周りの人でも、実際に徴収されたという話は聞いたことがないのですが、この61歳の容疑者の場合は、ちょっと過激すぎるというか、酷すぎるというか…この人が「特殊」であることを願ってやまないのですが……
 【軽乗用車が方向転換する際に車の前半分が駐車場を入ったことに対し「罰金を払え」と脅し、3000円を脅し取った】というのは、さすがに「不法侵入の罰金」というよりは「言いがかり」ですよね。軽乗用車の前半分なんて、ほんのちょっとのスペースだし、この軽乗用車の女性だって、道を間違えたりして、やむなくスペースを拝借したのかもしれないし。

 この管理人は、駐車場の所有者ではなくて、あくまでも管理していただけの人みたいなので、自分の立場を利用して「小遣い稼ぎ」をしていたのでしょうけど、車を運転する機会の多い僕にとっては、こういう「怖い駐車場」の存在というのは、なんだかとても不安になるのです。こんなキャッチバーみたいな駐車場があるなんて。警察に相談に来たのが7人ということは、実際はもっと被害者は多かったはずだし。
 
 確かに、こういう「不法侵入」というのが、管理者にとって不快で迷惑な行為というのはわかります。でも、ものには程度というものがあるし、管理者側も利用者側も、お互いに節度をもってやっていかなければなりませんよね。たぶんこの管理人、おとなしそうな「侵入者」だけを狙って、こんなことをやっていたのだろうし。
 譲り合うべきなのは、道路の上だけじゃない。