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2005年04月01日(金)
「エイプリルフール」の傲慢

日刊スポーツの記事より。

【ライブドアは1日、自社のポータル(玄関口)サイトに、架空のスポーツ紙の画像を登場させ、「ライブドア開幕5連勝!」というエープリルフール記事を掲載した。「宿敵ソフトバンクに10−0で圧勝!」とし、堀江貴文社長が笑顔で外国人投手の肩を抱く写真を大きく載せている。
 記事は、プロ野球球団のライブドアがソフトバンクに2連勝し、単独首位に立ったという内容。堀江社長がニッポン放送株取得で使った「将棋で言えば詰んでいる!」という言葉をそのまま見出しにしている。
 ライブドアは昨年、プロ野球への参入を目指したが失敗。同じ情報技術(IT)企業の楽天とソフトバンクが参入した。この画像はライブドアのサイトにアクセスすると自動的に現れる。】

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 実際の記事はこちら。今日は4月1日、エイプリルフールなわけですが、正直、いろんなサイトを巡回していて思うのは、「嘘だとわかっている嘘ほどつまらないものはない」ということなんですよね。面白い嘘というのは、どんな大袈裟なものでも、「1%くらいの本当の可能性」がないといけないのかもしれません。
 とはいえ、先日「トリビアの泉」で観たのですが、昭和54年のエイプリルフールに、筑紫哲也さんが「宇宙人との交信に成功した」というウソのニュースを放送したときには、「公共の電波で嘘をつくな!」という抗議の電話が殺到したそうですから、「エイプリルフール耐性」みたいなのも、人それぞれなのでしょう。
 ところで、WEBサイトの「エイプリルフールネタ」の中には、「人を驚かせるためのネタ」に混じって、明らかに「自分の秘めた願望を『嘘をついてもいい日だから』という理由で公開してしまっているものもあるようです。槍玉に挙げて申し訳ないのですが、このライブドアの記事から窺えるものは、「洒落」というよりは、それこそ「草葉の陰から」というような、「往生際の悪さ」のような気がするのです。なんだか、笑うに笑えない。
 個人サイトでは、こちらのサイトに書かれているように「閉鎖ネタ」というのはもはや定番です。僕のようにスレてしまった人間からすれば、「サイトを閉鎖します…エイプリルフールでした」なんていうのは、「はいはい、わかったから。閉鎖しないでください、って言ってほしいんだよね」としか思えないものではあるのですが、実際にサイト管理人としての立場からすると、「自分のサイトを閉鎖してみたい」という衝動は、そんなに珍しいものではないような気もします。日頃は読み流されていても、やっぱり、たまには「やめないで」とか「寂しいです」とか言ってもらいたいし。よく「人間の本当の価値というのは、その人の葬式のときにならないとわからない」なんて言いますし、僕も自分の葬式を見てみたい、という欲求はあるのです。でも、サイトというものは「閉鎖する!」って言うたびに、観る側からすれば「信頼度」が1ランクずつダウンしていくような気がするし、いつもいつも閉鎖するというようなサイトに対しては、「また言ってるよ、どうせ閉鎖しないくせに」というような負の感情すら抱いてしまったりするわけです。そういう「隠れた願望」を実現してみるには、「エイプリルフール」というのは、確かに「いい機会」なんですよね。仮に周りがノーリアクションだったり、過剰反応だったりしても「エイプリルフールだから」で済ませてしまえばいいのだし。「驚きました」って素直に(なのかつきあってあげているだけなのか、僕にはわかりませんが)リアクションしてくれる人がいるというのも、不思議ではあるんですけどね。
 本当に、4月1日になると、WEBサイトには「自殺願望」というものがあるのだなあ、なんて、僕は思わずにはいられません。しかし、みんなが真に受けてくれるのは、大概、最初の1回だけなのですが。

 でもねえ、僕は思うのですよ。上手な嘘っていうのは、本当に難しいなあ、って。だって、「彼と別れました」「不合格でした」「仕事をクビになりました」という嘘は、本人にとっては冗談でも、実際に「別れてしまった人」「不合格だった人」「リストラされた人」にとっては、「勝ち組の余裕」だと感じられることもあるんじゃないかなあ。「エイプリルフールだから」といっても、「冗談で済ませているつもりなのは言っている側だけ」なんてことは、けっして少なくないような気がします。