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2005年02月28日(月)
ライブドアがラジオを変える?

日刊スポーツの記事より。

【ニッポン放送経営権争奪戦をフジテレビと繰り広げているライブドア堀江貴文社長(32)が27日、同放送買収後に給与条件を変更する意向を示した。徹底したコストカットを信条とする堀江社長だけに、ニッポン放送の経営権を握れば、収入や仕事のスタイルが激変する社員続出は必至。平均年収約1200万とされる同放送社員が果たして「給与見直し」をすんなり受け入れるかも、焦点となってきた。
 堀江社長はこの日、テレビ朝日「サンデープロジェクト」に、司会の田原総一朗氏(70)と2人だけで特別スタジオから出演し、買収構想をしゃべりまくった。
 ニッポン放送買収後に会社をむちゃくちゃにするのでは、と聞かれた堀江社長は「絶対しない。買収した会社でもリストラってほとんどしない」といったん安心させた。だが続けて「もちろん給料の条件は変更させてもらいますけど」とさりげなく付け加えた。
 自社の急速な拡大を経営理念とする堀江社長は、徹底したコストカット主義で知られる。自著「儲かる会社のつくり方」では、02年に買収したライブドア社の社員平均年収が700万だったことを明かした上で「市場のアベレージと比べても高すぎた」と明言している。さらに「降格・減俸は思い切って最大限行ってしまう。給料はドーンと減ることになるが、それで投げやりになってしまうのであれば、それまでだ。(中略)たいていは退職していなくなってしまう」と冷徹な“哲学”を書いている。
 ニッポン放送は、昨年のデータでは平均年齢39・4歳、平均年収約1164万円。同著などによると、堀江社長は基本的に交際費はダメ、パソコンは自前購入、消しゴム1個ペン1本まで見積もり提出必要という考え。「ダメ社員を降格して給料を減らし、できる社員を登用して給料を上げる」(同著)ともしているが、大幅に減給されたり、仕事スタイルの変更を余儀なくされる社員が続出する可能性も高い。
 一方、堀江社長はこの日午後、TBSラジオ「伊集院光日曜日の秘密基地」にも出演し、買収後のネットとラジオの融合構想について具体案を明かした。それによると、まずネット上のラジオ番組を何百も作り「そのランキングをつけて、(地上波は)入れ替え制にする」(堀江社長)というプラン。ネットでのアクセス数などが多い番組だけが、従来のラジオで放送される仕組みだ。
 買収が成功しても、ニッポン放送の社員244人(昨年8月現在)がこうした給与大幅見直しや番組構想に賛同するのか、注目される。】

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 確かに、ラジオって、「この番組は、誰がいったい聴いているんだろう?」なんて考えてしまうような番組って、けっこう多いですよね。AMで昼間に演歌ばっかり流している番組とか。
 でも、考えてみれば、こういう番組が続いているのも熱心なリスナーがいるからでもありますし、テレビがなかなか高齢者向きの番組をフォローできなくなっている昨今では、ラジオの役割というのは、けっして少なくないと思います。入院している人などは、ラジオが唯一の楽しみ、だったりもするみたいだし。
 堀江社長の言っておられることは確かに合理的でもあり、けっして間違ってはいないと思います。40歳で平均年収1164万円というのは(僕がその仕事の内容をよく把握してはいないとはいえ)、ちょっと高すぎるかな、という気もしますし、スタッフもテレビに比べたらやや高齢化しているのかもしれません。それでも、今までその給料で生活してきた人たちに、急に給料を下げる、なんて宣言されたら、「頑張って勝ち組になるぞ!」という人は少ないでしょうし。
 実際のところ、堀江社長はネットの力を過信されているところがあるような気がします。例えば、ライブドアの新球団名のアンケートをネットで行ったとき、トップだったのは「仙台ジェンキンス」でした。ユーザーは、堀江さんほどネットに対して真摯ではないのです。実際、ネットでラジオ番組をアップロードできるようにすれば、ネット経由で番組を聴く人は増えると思うのですが、その一方で、ネットに対して抵抗のない、若い世代が好きな番組ばかりが上位を占めて、今までのラジオを支えてきた高齢者層は、置いてけぼりにされること請け合いです。しかも、ネットで聴ける人達は、わざわざ時間を拘束されてまで、地上波放送を聴くとは思えません。
 いや、ここまで堀江さんが「ネットの力」を信じているのは、僕もネット好きですから、頼もしくも感じるんですが、その一方で、あのおじいちゃんやおばあちゃん、ずっと車を運転している人などが楽しみにしている番組がことごとく絶滅してしまうのだとしたら、ちょっと残念です。

 たぶん。ニッポン放送の人たちだって、保守的な今のラジオに関しては「このままでいいのだろうか?」と思っているような気もするんですけどね……