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2005年02月18日(金)
終わりなき「閑古鳥コンテスト」

中日新聞の記事より。

【ミス弥富金魚・ミス弥富コンテストの応募状況が低調だ。「やとみ春まつり実行委員会」などが主催し三月五日に審査予定だが、応募者は十七日現在で、まだ一人。事務局は気をもんでいる。
 同コンテストは今回で二十六回目。新ミスの二人は四月一日から一年間任期を務め、四月初旬の「やとみ春まつり」に華を添えるほか、九月九日から十一日には、愛・地球博(愛知万博)会場の「弥富の日」の行事に派遣される。
 対象は海部郡、津島市在住か弥富町内に勤務する十八歳以上の未婚女性。締め切りは今月二十五日で、入賞した両ミスには各二十万円の賞金が贈られる。
 応募は例年、締め切り間際に集中する傾向にあるが、最終的に二十七人が集まった昨年は、この時期に五人の応募があり、ことしの低調さは顕著。事務局は「活気あるコンテストになるよう、奮って参加を」と呼び掛けている。】

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 こういう「ミスコンテスト」そのものへの是非の論議はさておき。

 「モーニング娘。」のオーディションに何十万通もの応募が殺到する一方で、こんな「閑古鳥コンテストもある」ということなのでしょう。とはいえ、僕の感覚では、芸能人への近道のような「ミス日本」とか「ホリプロ・スカウトキャラバン」とは程遠い、こういうローカルなミスコンに応募する人というのが、具体的にイメージできません。二十万円の賞金とか言うけれど、実際はそれで1年間もイベントなどで拘束されるのです。もしかしたらイベントごとに「手当」があるのかもしれませんが…

 とはいっても、この記事だけ読めば、「春まつり」と「地球博」でのイベントしか書かれておらず、それ以外に何か仕事があるのかどうかは不明です。そもそも、「地球博」が無い普通の年は、いったい何をやっているんだろう?とか、つい考えてしまいます。こういう「ローカルなミス」というのは、ご近所では評判になったりするのかもしれませんが、だからといって、本人にとってそれほどメリットがあるとも思えないんですよね。せいぜい、お見合いのときに相手に幻想を植え付けることができるくらいでしょうか。

 それにしても、毎年「締め切り間際に応募が多い」というのは、「迷っている」人もいるのだろうけど、関係者から頼まれてなどの「縁故応募」も少なくないと拝察しますし、そういう傾向は、別にこの「ミス弥富」に限ったことではないと思うのです。そこまでして、こういうミスコンテストをやる意義があるのかどうかは、ちょっと疑問にも思われます。
 こういうミスコンテストに限らず、世間には「誰が応募するのかわからない懸賞」とか「誰が出たがるのかわからない視聴者参加型番組」というのもけっこうあって、僕はそういうのを見たり聞いたりするたびに、制作側の苦労をしのばずにはいられないのです。
 そういえば、以前聞いたラジオ番組で、「その番組のスポンサーの店でしか使えない1万円の割引券プレゼント」というのがあって、僕はそれを聞くたびに、「せめて現金か、CD券とかにすればいいのに…」と思っていたものです。それも、そのスポンサーはデパートとかレストランとかじゃなくて、家具屋さん。そんなの、わざわざ応募してまで「割引券」を欲しがる人が何人もいるとは思えません。新聞の折り込みチラシにでもつけておけばいいようなものです。しかも、それが毎週となれば、聞いているほうも情けなくなってきます。「当選者発表」は聞いたことがないので、「応募者」がいたかどうか、ものすごく疑問でした。
 あるいは、リスナー参加クイズに出ている人が、いつも似たような声とか、どうも態度がわざとらしい、とか。
 そういう「応募者ゼロのプレゼント」は、テレビやラジオなら、「無かったこと」にしてしまえばいいのでしょうけど、こういう「ミスコンテスト」なんていうのは、「無かったこと」にはできないでしょうしねえ……そこまでしてやりたいのかな、こういうコンテストって。

 まあ、僕の先輩も「元ミス○○」と結婚したというのをいつも自慢しておられましたから(確かに、綺麗な人でもありましたし)、こういう「ローカルな肩書き」も捨てたもんじゃないのかもしれないし、なってみれば本人たちも悪い気はしないのかもしれませんけど。