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2005年01月28日(金)
悲しき「暴走族モラトリアム」

河北新報の記事より。

【宮城県で活動する暴走族グループのメンバーの年齢層が、高くなっている。以前は20歳前に足を洗うのが通例で、県警の調べでは、2000年に成人は10人に1人にとどまっていたが、04年には半分を占めるようになった。暴走族全体の構成員は年々減っており、年齢が上がる背景には後継者が集まらず、組織を維持するために抜けるに抜けられない現実があるようだ。
 県警が把握しているメンバーの年齢構成は別表の通り。主力が2000年は17―19歳だったのが、04年は19―21歳に移った。19歳以上で見ると、2000年は全体の4分の1だったのに対し、04年は4分の3に増えている。
 ここ数年、若者の暴走族離れが進み、構成員は減少の一途。2000年の347人をピークに減少し、04年にはほぼ3分の1の114人にまでになった=グラフ=。03年には県暴走族根絶条例が改正され、暴走族への勧誘が禁止になったことも、加入減に拍車を掛けた。
 暴走族はこれまで、高校卒業時などに「引退暴走」をして現役を退くパターンが多かった。しかし、なり手不足の進行で、県警は「組織を保つには、足抜けを踏みとどまらざるを得ず、結果的に年齢層が高くなった」とみている。
 後ろ盾の暴力団員が暴走族からの上納金を確保するために、脱退希望者に「新人を連れてこないと辞めさせない」と脅すケースもあった。
 仙台中央署が昨年摘発した暴走族グループは、メンバーの多くが20代で、最高齢は34歳だった。四輪車の暴走族も現れ、年齢が比較的高くても加わりやすくなっているのも一因だという。】

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 僕はこの記事を読んで、本当に驚きました。だって、暴走族って、高校生くらいがその主な構成員で、20歳を過ぎれば「引退してカタギに戻って、後輩に偉そうに人生論とかを説教する」というのが一般的なのだろうな、と思っていたから。
 あのうるさくて怖い暴走族そのものは大嫌いですが、それはそれとして、「ああいうスリルみたいなものに依存してしまう10代後半の不安な若者像」というのは、なんとなく理解できなくもないのです。でも、そんなことを30歳過ぎてまでやっていたら、単なる「迷惑な大人」に過ぎません。2004年の時点では、19歳以上が4分の3なんて、世も末というか、むしろ、「人は死んでも生き返ると思っている」とか世間から叩かれている小中学生のほうが、はるかに賢いのではないかとすら思います。
 まあ、「暴走族の高齢化」というのはけっして悪いことではなくて、若い人たちが新規参入してこなくなったために「過疎化」しているのだとしたら、このままこの「暴走族」という迷惑な集団が立ち枯れになってしまうことを願うばかりなのですけど。

 たぶん、今暴走族をやっている人たちも、「このままじゃ自分はダメだ」と思いつつも抜けるきっかけもなく、逆に20歳を過ぎて、社会人として1からやり直す勇気も出ないままズルズルと続けてしまい、そこから上納金を得ている暴力団も、この既得の利権を手放さない、という図式になっているのだと思われます。逆に大人になればなるほど、今までの「暴走族の幹部」という立場を捨てて、新入社員としてこき使われるのに対する恐怖感や嫌悪感も出てくるのかもしれません。
 なるべく「自分が偉ぶれる場所」に居たいという、悲しいモラトリアム。
 客観的にみれば、「そんな年になってまで…」としか言いようがないのですが…

 でも、この「暴走族の高齢化」の記事というのは、ある意味せつない印象を受けます。「社会のシガラミなんて糞食らえ!」と暴走族に入ったはずの若者たちが、今度はそこで「暴走族のシガラミ」にがんじがらめになってしまい、そして、今さら日常にも戻れない、というネガティブスパイラルになってしまっているのが現実ならば、現実社会で満たされない人たちが、オンラインゲームの世界では、やっぱりその「ゲーム社会でのシガラミ」に支配されているというのも現実。
 人間はもともと「帰属意識」というのが強い動物なのだとしても、結局何かの枠の中におさまりたいのなら、そんなに自分を追い込むような枠を選ばなくてもいいのになあ…とも感じます。

 結局、どこにも「楽園」なんてないんですよね……