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2004年10月13日(水) ■ |
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英国人の理不尽な「怖いものランキング」 |
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西日本新聞の記事より(情報元は共同通信)。
【<英国世論調査で> 英国で行われた「怖いもの」についての世論調査で、各国で頻発するテロを抑え、クモが堂々の1位に輝いた。 英国人1000人を対象にした調査によると、テロに次ぐ恐怖はヘビ。以下「高所」「死」「歯医者への通院」「注射」「人前で話すこと」「借金」と続いている。 クモがトップになったことについて、心理学者は「多くの足で走り回る小さな虫への恐怖は、石器時代にまでさかのぼる根源的なもの」と解説している。】
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まあ、「堂々の1位に輝いた」というのは、クモにとっては言いがかりもいいところで、一部の毒グモを除けば、クモというのは人間にとっては「益虫」の類らしいのですけど。 同じようなアンケートを日本でやったら、どうなるのかというのは、興味深い気もします。日本の伝統的な「怖いもの」は、「地震・雷・火事・オヤジ」って言いますよね。これは「オヤジ」を除けば「人間の力の及ばない自然災害」であり(火事も、昔は自然鎮火を待つしかなかったでしょうし)、そういう「巨大な力」というのは、確かに人間にとって根源的な恐怖なのだと思います。 とはいえ、「何に恐怖を感じるか?」というのは、実体験があるかどうかにかかっている面もあって、「地震」が少ない国では「地震」に恐怖を感じる人は少ないのではないでしょうか。日本で「道を歩いていて、ライオンに襲われたらどうしよう」と恐れる人がいないのと同じように。 そういう意味では、「クモ」というのは、誰でも見たことがある「気持ち悪い動物」でしょうし、具体的にすぐイメージできる「怖いもの」としては妥当なような気がします。 僕は断然「ヘビ」なんですけどね。あの形状の生き物が襲ってきたところを想像すると、それだけで背筋が寒くなりますし、暖かい時期の夜中に草の多いところを歩くときって、「ヘビ、いないよなあ…」なんてドキドキしていたりもするのです。実際に動物園以外で生きているヘビを見た機会なんて、たぶん数えたら両手があれば十分なのに。それでも、「あの草むらにヘビがいるかも…」いう余計な想像力というのは、なかなか消えないものです。 現実問題として、今の日本の地方都市に住んでいて、毒グモや毒ヘビに襲われて命を落とす可能性というのは、非常に低いものです(ハブがいる沖縄は除いたほうがいいかもしれないけど)。川口浩探検隊(今は「藤岡探検隊」ですね)にでも入って「恐怖のヘビ島」にでも行かないかぎり、ヘビに襲われて死ぬ可能性はごくごく低いもののはずなのに、やっぱり怖い。
僕は「あの家の陰にテロリストがいるかも…」という恐怖感におそわれたことは今のところないので、やはり「恐怖の対象」というのは、それまでの体験に深く影響されている面もあるのでしょう。「死」はともかく、「高所」「歯医者への通院」「注射」「人前で話すこと」なんていうのは、「ごく身近でありふれた恐怖体験」なわけだから。 そういう意味では、「テロリズム」が2位というのは、「テロよりもクモが怖い」というよりは、「テロの恐怖」が「クモ」と同じくらい「現実的な恐怖」として浸透していることのあらわれなのかもしれません。もちろん、メディアの影響もあるでしょう。
それにしても、おそらくクモにとっては、「自分たちは普通に生きているだけなのに、テロより嫌われるとは…」という理不尽な結果だろうと思われます。某国の大都市を守るために日夜がんばっている「クモ男」だっているっていうのねえ。
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