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2004年06月21日(月)
「ありがとう駅」よりも「エロマンガ島」

毎日新聞の記事より。

【高知県南国市が、第三セクターの土佐くろしお鉄道「ごめん・なはり線」に、「ありがとう駅」の愛称の駅を誕生させる。本来の名前は「後免町(ごめんまち)駅」。子ども時代を駅周辺で過ごした「アンパンマン」の作者、やなせたかしさん(85)の発案。隣駅も「後免(ごめん)駅」で、「ごめん」「ありがとう」の“駅名フレーズ”で全国にPRする。

 過去に「幸福駅」など本来の駅名が話題になったケースはあるが、南国市は「駅に愛称を付けるのは珍しいのでは」としている。駅ホームに「ありがとう駅」と書いた看板を新たに設置。7月4日の同線開業2周年イベントで発表する。切符や時刻表、車内アナウンスなどは従来の「後免町駅」だが、浜田純市長は「現代人が忘れがちな感謝の言葉で駅を呼んでもらい、同時に後免の名前を広めたい」と話している。

 これまで、胸の内に秘めていた謝罪の言葉を全国から募集した「ハガキでごめんなさい」コンクールなど、町おこしのアイデアを提供してきたやなせさんは、「二つの言葉をそろえて発音するだけでも気持ちがいい。観光にも役立ててほしい」と喜んでいる。】

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 僕は鉄道マニアではありませんが、子供の頃から「知識マニア」だったので、面白い駅の名前とかは、けっこう覚えていたような記憶があります。今はもう、ほとんど忘れてしまったのですけど。
 「御免」という駅についても「ああ、そんな名前の駅があったなあ」というのは覚えていて、「ごめん〜ごめん〜」と駅員さんがアナウンスするのは、なかなか楽しそうだなあ、なんて。
 でも、この「ありがとう」という駅名には、どうも興味がわかないんですよね。
 逆に、わざとらしさみたいなのを感じてしまいます。

 「エロマンガ島」というのを御存知でしょうか?
 バヌアツという南太平洋の国にあるこの島は、日本の子供たちに、長い間親しまれているのです。それはまあ、「エロ」という、その世代の子供たちにジャストミートするキーワードが含まれていることが主な理由なのですが、何より僕にとって面白く感じられたのは、「世界には、そういう『日本人からしたら、考えられないような名前』というのが、ごく自然につけられている土地があるんだなあ」ということでした。「エロマンガ」を普通に発音して、そこでずっと暮らしている人たちがこの世界にいるのだ、というのは、なんだかとても不思議な気持ちがしませんか?

 「ごめん(御免)」という駅が有名になったのは、その駅名が何かを狙った人々によって作為的につけられたものではなく、昔から伝わってきた地名だからなのだと僕は思います。
 そういう歴史や伝統を持っているからこそ、好事家の好奇心というのはソソラレルわけで。
 この「ありがとう駅」みたいな、「人為的につけられた、美談を目的とした珍名」というのは、正直なところ「あざといなあ…」としか感じられないんだよなあ…

 もし「エロマンガ島」が、日本人の大金持ちがどこかの島を買い取って自分でつけた名前だったら、きっと小学生の僕も面白くもなんともなかったと思うしね。