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2003年09月10日(水)
サイモン&ガーファンクルのすれ違いと和解。

ロイター通信の記事より。

【「サウンド・オブ・サイレンス」などのヒット曲で知られる米男性デュオのサイモン&ガーファンクル(ともに61)は、9日に当地で記者会見を行い、20年ぶりの米国ツアーを行うと発表した。
 10月18日のミシガン州オーバーンヒルズを皮切りに、32都市で公演する予定。
 サイモン&ガーファンクルは、米国内だけで4000万枚余りのアルバムセールスを記録する成功を収めた。しかし、ソロに転向したサイモンの成功や、デュオ時代の楽曲の印税と作者表記をめぐるトラブルで、2人は互いに疎遠になったとされる。
 しかし、今年2月のグラミー賞授賞式で2人は約10年ぶりに共演し、功労賞を受賞。これが和解につながった。
 サイモン&ガーファンクルは1993年にニューヨークと日本で公演したが、本格的ツアーは欧米やアジア、オーストラリアを巡回した82―83年以来。】

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 僕はもちろん、サイモン&ガーファンクルをリアルタイムで体験したわけではないのですが、彼らの美しいハーモニーは大好きです。そういえば、音楽の教科書にも「明日にかける橋」が乗ってたなあ。
 ”Like a bridge over trouble water ”でしたっけ。
 僕は、彼らの解散の理由は、「音楽性の違い」とか、そういう理由だと思い込んでいたのですが、この記事が事実であれば、ようするに「金と名誉」というのが、彼らが仲違いしてしまった理由だということですね。
 なんだか寂しい話ですが、例えば日本の音楽業界では、作詞・作曲者の印税収入が売り上げの各3%程度なのに対して、実際に歌っている人の印税は1%くらいなのだそうですね。
 要するに、歌っている人は、有名にはなるけど、金銭的には恵まれない、と。もちろん、テレビやイベントなどの出演料というのはあるんですが。
 日本でアイドル歌手なども作詞をしたがる理由には(まあ、作曲よりは素人にとっては「手を出しやすい」と思われるんでしょうね)、こういう側面もあるようなのです。
 名前の表記も、以前、ビートルズのジョンとポールが、それぞれが創った曲での名前の表記の順番でトラブルを起こしたことがありますし、映画俳優などでは、スタッフロールの順番が気に入らなくて降板した人もいるらしいですし。

 こういうのは、ポール・サイモンが「僕の曲が良かったから売れた」と言えば、アート・ガーファンクルが「僕の歌が良かったから売れた」と言う、という、まさに水掛け論になりがちなんでしょう。
 本当は、どっちが欠けても売れなかったんだろうけど。

 たぶん彼らも最初は、お互いに歌が好きで、成功を収めたくてデュオを組んだのでしょうに。
 みんなが認める名曲の裏には、いろんなすれ違いや葛藤がある、というのは、よく言われることですが、なんだか悲しくもあります。

 若いころは夢を抱いて協力しあい、成功するとお互いに「自分のおかげ」と仲違い。年をとると、やっぱり「昔の仲間」と仲直り…
 一生憎みあったままよりは遥かにいいことなのでしょうが、結局、どんな有名人も(むしろ、有名人であり、成功者だから、なのかもしれないけど)、同じことを繰り返しているんですよね。
 どうせなら、もっと早く…といちばん思っているのは、本人たちなのかもしれませんが。