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2003年02月10日(月)
幸運な「破局・流産・ストーカー」。


ロイター通信の記事より。

【主演最新作「めぐりあう時間たち」で、1941年に自殺した英作家バージニア・ウルフ役を熱演した女優ニコール・キッドマン(35)が、俳優トム・クルーズとの離婚など、実生活で問題を抱えていたことが演技に役立ったと語った。
 ベルリン国際映画祭での同作品のプレミア上映後、会見で述べたもの。
 キッドマンは撮影開始当時、クルーズとの破局や度重なる流産、ストーカーなどの問題を抱えていたという。
 キッドマンは、人生において、役のめぐり合わせというものがあり、演じるべき時にこの役を得られて幸運だったとしている。
 キッドマンはこの役で、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞を獲得。アカデミー賞受賞の期待も高まっている。】

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 ニコール・キッドマンとトム・クルーズは、ハリウッドきってのオシドリ夫婦として有名でした。それが、お互いを傷つけあうような離婚劇、やっぱり芸能人っていうのは…と僕は内心思ったものでした。
 「演じるべき時にこの役を得られて幸運だった」というのは、確かに役者としての彼女にとっては事実でしょうね。
 おそらく、そういった実体験が、彼女の演技にリアリティを与え、今回のような栄誉をもたらしたわけですから。
 
 でも、「幸運だった」という言葉は、人間・ニコール・キッドマンにとっては、強がりなのかもしれないなあ、という気もするのです。
 周りの人はよく「それも人生経験だよ」という慰め方をするものですが、本人がそう思えるかというと、必ずしもそうでもないだろうし。
 「あの女と別れたから、今の嫁さんと結婚できたんだろ」とか「早くに親を亡くしたから、しっかり者に育って…」なんてのは、本人は「ほんとうは前の彼女のほうが好きだったのに…」とか「両親が揃っている家の子が羨ましくてしょうがなかったのに…」と内心思っていることも多いのではないでしょうか?
 ほんとうは、そんな「役に立つ体験」したくもなかったよ!というのが本音のことも多いはず。

 もちろん、こういう負の体験をプラスにできるのが役者という仕事であり、そのくらいの強い前向きな意志がないと成功できない世界なのでしょうけれど。

 ただひとつ確かなのは、たぶん他人から「離婚やストーカーのおかげで、いい演技ができましたね」と言われたら、キッドマンはすごく腹が立つだろうなあ、ということです。

 それにしても、どんなに素晴らしい役者でも、幸せな夫婦、幸せな家族を演じ続けるのは難しい!