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2002年10月29日(火)
2002年10月29日。


毎日新聞の記事より

【第57回国民体育大会「よさこい高知国体」秋季大会第4日の29日、開催地の高知県が冬、夏、秋季の各大会の合計得点で争われる天皇杯(男女総合優勝)を逃すことが確定した。秋季国体開催地が天皇杯を獲得できないのは1963年の山口県以来、39年ぶり。
 28日までの天皇杯争いで高知県はトップの東京都と500点以上の大差がついた12位。25競技が行われたこの日も得点は伸びず、大会を2日残して男女総合優勝の可能性はなくなった。
 秋季国体の開催地は64年の新潟大会から昨年の宮城大会まで38年連続で天皇杯を獲得。大会費用の削減、簡素化の一環で、近年は他県出身者を開催数年前から地元企業、学校などに就職させる「国体強化対策」を控えるところも増えてきた。
 高知県では橋本大二郎知事が先頭になって、地元選手の育成に限定した強化策を推進。昨年の31位を大幅に上回る成績を収める見込みは立ったものの、総合優勝までは手が届かなかった。】

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 確かに、この国体の開催地優勝、毎年なんなんだろうなあ、と思っていました。
 たとえば東京とか大阪みたいな大都市圏ならともかく、佐賀とか島根とかが優勝してしまうのは、何らかの作為がないとまずありえないわけで。
 みんなが、「おかしい!」と思いながら、うちの県だけ負けられないと前例どおりに続けてきたこの悪循環をあえて断ち切った高知県の名誉ある敗北を支持したいと思います。
 しかしながらその一方で、このバカバカしい伝統によって支えられてきた「国体請負人」と呼ばれる、マイナースポーツのアスリートたちがいるのです。
 彼らは、国体のたびに開催の自治体の職員や教員として、国体の開催される各県を転々としながら自分の競技を続けている人々。メジャーなスポーツならプロとして収入を得られるものの、マイナースポーツでは、お金を稼げる本業を持たないと、一流選手として競技生活を続けていくことはできません。スポンサーなんてつきませんし。
 就職したくても、スポーツを高いレベルでやるためには業務に支障が出ることもあるでしょうし、一般企業のサラリーマンとして競技生活を続けることは困難。教員になろうにも、今は本当に狭き門。
 それで、国体で各県のポイントを稼ぐための「国体請負人」として競技を続けていかざるをえらいという事情もあるんですよね。
 また、僕は九州の某県在住なのですが、国体というのは、地方にとってはインフラ整備の機会でもあるのです。「国体のためにつくられた競技場」なんてのは、ちょっとおかしい気もするのですが、今の日本の地方自治体のスポーツ事情では、そうでもないと新しい施設が導入される機会というのは、ないんですよね。

 結局、国体の開催地優勝が当然、というバカバカしい慣例をやめることは良いことだと思うんです。でも、「請負人」にならなくても一流選手たちが安心して競技ができる環境をつくることや地方のスポーツ環境の整備も同時に進めていくことは、ものすごく大事だと思われます。
 でも、純粋に実力勝負だとやっぱり都会の圧勝なんだろうなあ…
 現実には、高校野球の各県代表も越県入学の選手ばっかりだったりしますし。
 
 それにしても、みんなそんなに国体での自県の成績に興味があるんでしょうか?