
|
 |
| 2002年09月18日(水) ■ |
 |
| 2002年9月18日。 |
 |
毎日新聞の記事より。
【北朝鮮による拉致事件被害者8人死亡の衝撃は、在日コリアン社会にも暗い影を落とし始めた。北朝鮮に対する国内世論の硬化を背景に、朝鮮人学校などに脅迫めいた電話や嫌がらせが相次いでいる。
新潟市空港西の新潟朝鮮初中級学校(生徒35人)は、18日からしばらく休校すると決定した。大阪の朝鮮学校に脅迫電話があったことなどを受け17日夜、生徒の安全を確保するため急きょ決定した。「しばらく様子を見て、生徒が安心できる状況になってから、学校を再開したい」(校長)としている。
横浜市神奈川区の神奈川朝鮮初中高級学校(生徒380人)には17日夜、約30本の嫌がらせ電話があった。「朝鮮に帰れ」「拉致問題をどうしてくれる」といった内容や無言電話などだったという。
こうした状況を受け、各地の朝鮮初中級・高級学校は18日、集団登校・下校のほか、女子がチマ・チョゴリの代わりにブラウスなどの第2制服を着用するよう指導した。 また、朝鮮総連中央本部教育局も、各学校へ児童・生徒の身辺安全の徹底を周知したほか、所轄警察に警戒を要請するよう指導した。98年8月のテポドン発射など日朝間で問題が発生した時にはこれまで、女子生徒がチマ・チョゴリを切られたり、嫌がらせや暴行を受けるなどの被害が全国で相次いだ。】
〜〜〜〜〜〜〜
北朝鮮の日本人拉致疑惑は、これまで明らかにされたところでは、ほんとうに非人道的というか、「なんてことをしやがるんだ!」っていうのが、日本人の多くの人の感想ではないでしょうか? メディアは、昨日の夕方に「有本さんら帰国の可能性」などと速報を流していましたが、結局、それは功を急いだための誤報で、現実は、家族を落胆の淵に突き落とすものでしたた。 選挙の開票速報にしても、なにも、開票直後に「当選確実」を出す必要性などないような気がするのですが。世の中には「速報性」を多少犠牲にしても「信頼性」が重要な情報というのもあるでしょうに。
それはさておき、この一連の愚かな行為、恥を知れ!と言ってやりたい。 こういう人たちというのは、自分が実際に被害を受けたわけではなくて、「義侠心」「正義感」という化粧をした、自分のストレスをぶちまけているだけのような気がします。 いくら、北朝鮮政府の主導による拉致とはいえ、在日朝鮮人の人々がみんな拉致にかかわっていた、というような考えは「アフガニスタン人は、みんなアルカイダ」とか「日本人は、みんな日本赤軍」というのと同じレベルの話。 そんなに何かしたいのなら、せめて大使館に抗議デモでもやりにいけばいいのに、狙いは子供や学校かよ、恥ずかしいなあ。自分は安全な状況で、そんなイヤガラセをしたところで、何かが変わると本当に信じているんでしょうか。 もちろん、やり場のない憤りは、みんな感じているはずです。でも、この憤りは、果たして朝鮮人学校の子供たちに向けられるべき筋合いのものなのか? 同じ朝鮮人じゃないか、って?そういうのを人種的偏見というのです。 関東大震災のときの朝鮮人虐殺から、メンタリティが向上していない日本人がこんなにいるとは、情けない。 こういう人たちって、雪印の牛乳問題では、何の罪もない販売店にクレームの電話をかけ、ニッポンハムの売り場のおばさんに嫌味を言うような人なんでしょうね。 でも、これは日本人だけの問題ではなくて、同時多発テロのときにアラブ人というだけで差別を受けた人が、アメリカではたくさんいたのです。これはもう、自分より劣った人間をつくりたがるという、人間の性なんでしょうか。 だいたい、どうして今まで、この問題を国民も政府もみんなもっと真剣に考えてこなかったんだろう?僕は、なんだか自分がとても情けないです。
北朝鮮の拉致は、国家的テロリズムといえるでしょう。 でも、この愚かな人たちの報復(だと自分たちでは思っている)行為もまた、テロリズムなんじゃないでしょうか。 自分のストレス解消のため、抵抗できない弱者を狙うなんて、最低のテロリストたちだ。 テロに、最低とか最高とかは、ありえないのかもしれないけれど。
|
|