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| 2002年09月03日(火) ■ |
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| 2002年9月3日。 |
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日刊スポーツの記事より。
【126年前の曲がヒットチャートでなんと1位を獲得した。シンガー・ソングライター平井堅(30)が8月28日に発売したカバー童謡曲「大きな古時計」が、9日付の大手音楽誌「オリコン」のシングルチャートで初登場1位を記録したことが2日、明らかになった。1876年(明治9年)にアメリカで生まれた童謡で、日本には40年前の62年に初めて紹介された。カバーブームの今年の、究極のカバーヒット曲といえそうだ。】
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平井堅さんの「大きな古時計」はじめて耳にしたときは、びっくりしました。どうしていまどきこんな古い歌をカバーしたんだろうって。アルバムかなんかに入っている曲だと思っていたのですが、シングルカットされて、ここまでヒットするとは。 僕が小学生の頃の教科書にも「大きな古時計」は載ってました。でも、僕はちょっと苦手な歌だったなあ。いい曲だとは思うのだけれど、この歌の中には「死」の匂いがいっぱいつまっている気がして。おじいさんの人生を寓意的にあらわした古時計。ひとりの人間の生誕と時計の停止で語られる死。子供にとっては、あまりにも深く、その暗闇に落ち込んでしまいそうな曲。「チクタク、チクタク」という、ちょっと滑稽なような、それでいてせかされるような擬音語。人間の死に直接接する機会もない子供にとっては、こうしている間にも、僕の時計は「チクタク、チクタク」っていって、そのうち止まってしまうんだろうなあ、という恐怖感。 平井さんが、この歌をカバーしたのは「昔から好きだった曲」だからだそうなのですが、死の静寂というのは、人間にとって魅力的な世界なのかもしれませんね。 僕も、好きな歌ではないけれど、忘れられない曲ではあります。「死んでしまった」と言われるより「時計が動かなくなった」というほうが、かえってリアルに感じられる「死」のイメージ。まだ、当時のちょっと怖かった手触りは残っています。
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