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2002年07月22日(月)
2002年7月22日。


夕刊フジの記事より抜粋。

【18日に都内の自宅で首をつって自殺した女優、戸川京子さん(享年37)。20日に通夜、21日に葬儀告別式が都内で行われたが、姉、戸川純(41)の憔悴しきった姿は見るに忍びないほど。背は曲がり、げっそり痩せて、年齢より10歳以上も老けて見えた。

 それにしても、なぜここまで急いで彼女が旅だったのか。その原因は依然として謎に包まれたままだ。

 京子さんは幼い頃から喘息に悩んでいたが、それも一因だった可能性も。純は葬儀で京子さんが体調不良に悩んでいたことを示唆している。

 「原因は身体の…。そういうの本当に出さない子だったので。プロ根性があって。私みたいに疲れが顔に出るタイプならいいんだけど、そういう子ってポキンと。健康っていうのは気の持ちようという言葉もうすっぺらに聞こえる」と嗚咽を漏らすばかり。

 最近は友達からの電話にもあまり出なくなっており、精神状態はやや欝気味だったとも言われている。遺書は発見されておらず、家族、友人は「なぜ」という叫びを未だに抑えきれずにいる。】

〜〜〜〜〜〜〜
 
 戸川純さん、95年の自殺未遂以来、マスコミの前に姿をみせることはなく、ご本人もニュースで妹さんの死を知ったそうです。
 ほんと、この記事の内容は失礼だとは思うけれど、僕も「これが戸川純?」老けてみえるなあ…と驚いてしまいました。
 
 この「ポキンと。」という部分、彼女の妹さんについてのコメントで、いちばん印象的なところでした。
 世の中、自殺してしまう人というのは、本当に真面目な人が多いのだと思います。むしろ、自分のストレスや悩みを表に出せるタイプの人、出せる状況である人は、あんまり自殺という行動には出ないようです。
(いわゆる人格障害で、リストカットをしてみせるタイプの人は、やや異質であるかもしれませんが)
昔の木造建築が地震の揺れに強いのは、むしろ揺れにたいして、しなるように造ってあるからで、それに対して鉄筋コンクリートの頑丈な建物は、揺れに対して意外とあっけなくポキンと折れてしまうといわれています。
いわゆる「不平屋」のひと、日頃から他人の悪口や愚痴ばっかり言っている人は、あまり自殺に駆り立てられることはないようですし。
 
 戸川京子さんの本当の自殺の要因が健康問題であったかどうか判然としませんが、確かに、病気というのは、人間をマイナス思考に向かわせやすいものではあります。
 ただ、こういう場合、「どうして自殺なんか!」とか「私に相談してくれれば…」などということは、あまり意味がないんじゃないかと思うのです。
「もっと楽に生きようよ!」という呼びかけは、それはそれでひとつの強迫観念になってしまいますし。だいたい、頑張ってしまう人にとって、いちばん楽な生き方って、やっぱり「頑張ること」なのだと思うのです。
たとえば、「無心になろう」と思って、心に「無心〜無心〜」とずっと唱えているのと同じように、「がんばらない」ように、がんばってしまう。
結局、人間の生まれつきの資質なのかもしれませんね…

 世の中には、自分は他人とは違う!ということを見せようとして頑張っている人が、たくさんいます。でも、むしろ「違うことを見せようとしている人」の典型例を演じてしまう場合もままあるわけで。
 でも、戸川さん姉妹は、自分がやりたいことを普通にやっていると、他人と違ってしまう、そういう人生。
 それは、ある種の才能なんでしょうけれど、とてもとても生きていく上で辛いことなのだろうなあ…