曜変天目の奇跡。


2004年10月15日(金)
今日は7時におきて、東京へ。
都内でも少し離れた2ヶ所を回るとなると、
やっぱりそれなりに早い時間にでないといけない。

そのうち、先に回ったのは静嘉堂文庫美術館
現在開催されている「三菱・岩崎家の茶道具 −父子二代蒐集の至宝−」で、
年に一度限定公開されている、国宝・曜変天目茶碗を見に行くのが目的。


―――茶碗の中にたくさんの星ぼしが散っていて、蒼く輝いている。
それがね、本当に宇宙をさかさまにのぞきこんでいるような錯覚を覚えるんだ。
その中にすっぽり宇宙が収まっているんだよ。―――
(恩田陸「曜変天目の夜」の一説)


自分が愛読している恩田陸さんの短編の一つ「曜変天目の夜」に、
曜篇天目茶碗は、このような言葉で表されていた。
一体、どんなものだろう?と思ってネットで探すうち、
この美術館にたどり着き、写真を見て「これは見てみたい」と思い、
今日、見に行くに至ったというわけになる。

実物の曜変天目茶碗は、なるほど小ぢんまりした大きさだった。
しかし、その中に広がる世界は、想像を超えていた。

HPの写真は静止画である以上、一側面の輝きしか映らないけれど、
実物を角度を変えたり、視座を変えたりして見ると、
その度ごとに内側の文様が異なる虹彩を放ち、二つとして同じものがない。
様々な位置から見るうち、茶碗の内に広がる宇宙に、知らぬ間に見入ってしまう。

このような茶碗こそ、「奇跡」や「至宝」と呼ぶに相応しい気がする。
…なんか、どんだけ言葉を並べても、伝わりきらないかも(汗)

曜変天目茶碗以外にも、重文の茶道具が数多くと展示されていた。
茶道具をこんなに見たのは初めてだったけど、
文様、形状といい、実に個性的なものが多く、じっくりと見れました。
日本史が好きだった自分にとっては、その伝承も興味深かったです。

一年のうち、一定の期間しか公開されないものなので、
是非、見にいかれることをオススメします。
今日、自分がいった平日の午前中は、けっこう空いているようです。


静嘉堂文庫を後にしてから、都内のもう一つの場所へ。
事前にメールしておいた大学時代の友人と合流して、用事が済んだ後に談笑。
久しぶりに会ったので、なかなか話も弾んだ。
気心の知れている人との話は、ストレスや疲れを飛ばすにはもってこいだ。


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ここまでけっこう元気に書いたんですが、
実は、一昨日からノドが痛く、昨夜は鼻が詰まって寝苦しく、
今日一日、中盤からはかなり気を張った状態でこなしました。
(友達と話しても、病魔は抜けないもよう…)

そのツケか、今かなり体がだるい…もう寝かせていただきます…

BGM : かたちあるもの / 柴咲コウ♪



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