便蛇民の裏庭
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仕事が終わると ビール片手にやってくる彼。 子供たちに「おかえりなさーい」と迎えられる。
当たり前のように彼の膝に座る子供たち。
夕飯の支度をするぼく。 みんなで食べるご飯。
子供たちに対して無理なく笑顔を向けられる。
子供たちに「いってらっしゃーい」と送り出され 彼の家に向かう。 「またあしたのあさねー」
そう 朝までの時間ぼくはぼくに戻り 彼の部屋で彼に包まれ自由に生きている。
好きな音楽。 楽しいお酒。
脳内麻薬に浸り自由に動くカラダ。 思いのまま揺れる。
鼻の奥ではすの花が開く。
心地よい眠りの後 元気な姿で子供たちのもとに朝帰り。
笑顔の朝ごはん。 「いってらっしゃーい」 元気に子供たちを送り出す。
それは先日まで ぼくがまったくできなかったこと。
布団の中で苦痛の笑顔のまま 子供たちを見送る日々だった。 寝たきりの毎日。 うめき声を上げるので精一杯だった。
彼が与えてくれるものの大きさに いまさらながら感謝する。
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