僕の、場所。
Home page





僕の、場所。

今日の僕は誰だろう。



Back


Dear, me

もう僕は何処にも居ないから
探したって無駄なんだよ

そんなところに隠れてなんていないから
どうか諦めて帰ってくれよ

風の便りでここまで来ても
それはずっと昔の便りだよ
今はもう居ない

古ぼけた紙切れ
色褪せたペンの文字

ずっとずっと昔
笑い方を知らない僕に
ささやかな温かさ
嬉しかったのに

もう僕は何処にも居ないんだから
これ以上探さないで、お願い


流れに乗るのが怖く
つい
立ち止まっては涙を流す
流されるのも飲まれるのも恐ろしくて
ふらつく足元が
竦んでしまう

あの日は何処だろう
あの言葉も流れてしまった
あの想いだってもう無くて

あの日君が傍に居た事実さえ
ずっとずっと流れ行きて
もう僕には見えやしない

ひとり残されてしまう恐怖感
過ぎてしまう時間も
流れてしまう過去も
まだ待って
もうちょっと待ってよ
お願いだから

浮かんでしまえば楽なのに
先の見えない流れは恐ろしくて


Eve.

遠く離れた君に
静かに送る
Merry Christmas.

会いたいなんて言えもせず
言ったところで叶う筈もなく
恋人たちを後目に君への言葉を探している

街は明るく煌いて
こんなにも幸せそうなのに
君は遠い 遠すぎる
だからせめて
言葉くらい

会いたいのはいつも
会えないのはいつも
今日だけじゃなくて

でもさほら何だか世間は慌しいから、なんて
せめてもの照れ隠しで強がる俺に
呟く事くらいはできるだろうからさ
な、良いだろう?

Merry Christmas to you.


分かってない

君のような弟が欲しかったかもね
なんて言われてみろ

誰だって落ち込むさ


再確認

それはね、つまり安心。

気負わない、気取らない、放置できる。
ときに口論する、衝突する、その消費エネルギーに価値を見出している。
かっこ悪さを露見できたり、容認できたりする。

それはね、コイビトなんかじゃないからだよ。

笑わない僕が笑うようになったり
幸せな君がときに落ち込んだり
静かな彼女が恋心に芽生えたり
君は僕にお門違いな嫉妬を覚えたり

僕は僕で馬鹿馬鹿しくも孤独に浸ったり、とね
あらゆる変化が楽しくて、つい

この場所に安心してしまうんだ。

たとえ倒れようとも
人の腕よりも冷えた地面を選ぶ僕が
愚かにも自分を見失いそうになる忘れそうになってしまう。

気付かせてくれよ
もといた世界の冷たさを
思い出させてくれよ
以前からの覚悟の堅固さを

大好きな君と愛する君に手を振って
いつか僕は単身、朽ちてゆくから。


視線

朝、コーヒーの湯気で小さな虹を作る瞬間を
好む作家は彼女が嫌い
その長いブロンドを作品に
何度も登場させたりもする
けれど結局殺してしまうので
うまくいかないと再びペンを取る

昼、割れたグラスで積み木遊びをするような危うさを
好む彼女は猫が嫌い
そのガラス玉みたいな丸い目に
そっと爪を立てたりもする
すると猫はすぐ逃げるので
割れ物の積み木遊びを再開する

夜、ミルクでちょっと湿ったあたりのにぼしを
好む子猫は寒さが嫌い
誰かのあたたかい毛布の中に
いつのまにか忍び込んだりもする
いつも誰かを驚かせてしまうので
部屋の隅でまたにぼしを食べる


オンライン

離れていても
会えなくてもきっと
君の存在は感じてるから

もうちょっとだけ
君の名前を眺めさせて欲しい
この勇気のない僕を笑っても良いから


baby, go home please

困らせてごめんねと呟く肩を抱けなくて
伸ばしかけた腕を力なく下ろす事しかできない
そんな馬鹿な男

午前2時 月明かり
通り過ぎていく深夜タクシー
抜け出してきた僕ら
戻れなくて
夜中の魔法を解けずにいる

どうしようもない状況を作ったのはかつての僕で
どうしようもない悲しみを背負うのはいつも君
そしてそれを決して気付かせてはくれない
気付いた頃には全てが遅い、遅すぎる

密室の中
死んだのは誰なのだろう
一人眠ったように

午前4時 月明かり
早起きの大型トラック ヘッドライト
帰るなんて言いだせずに只ずっと
夜中の魔法を解けずにいる

それでもいつか昇ってくる太陽を知っている僕らで
どうしようもなく馬鹿馬鹿しくも生きている
泣きじゃくるわけでもなく只 悲しそうな笑みで
振り向いた時には手遅れなのさ もう

公園の木の下
まだ眠っているのは誰


落日

時にのまれそうになる

その

垣間見える静寂に

僕ははっと息をとめて

虚空を見つめるはめになる

呑まれそうになる

意識しなければきっと呑まれてしまう

深いところで渦を巻くそれ

誰かが残していった傷跡さえ

降り注ぐ陽の光さえ

恐ろしくも己を追い立てるから





精一杯の強がりと

そして自覚してしまった想い

宙に舞え

そして堕ちてしまえ

その後姿がこちらに気付く前に


Ni shi ta pengyou ba.

言葉にできない
言葉にしきれない
言葉じゃ足りない
言葉なんて言葉なんて

だって君には届かないだろう?

知っているよ
私はただ呟くだけ
代用品にもなれないから
馬鹿げた冗談を呟くだけ

どうせ君には届かないのだからね

笑って
笑い飛ばしてくれるだろう?

私の、心の叫びなんてね


NOT FOUND before restarting

一年くらい前に気まぐれに書いていた連載ものを集めてみました。
そろそろ再開しようと思っていますが、遍歴チェックを兼ねて再掲示です。
若気の至りな部分もありますが(一年経っても若造ですが)、また宜しければご覧ください。

それぞれ同一の別窓で開きます。



NOT FOUND  text1.meeting

NOT FOUND  text2.realizing

NOT FOUND  text3.chatting

NOT FOUND  text4.inviting

NOT FOUND  text5.dreaming

NOT FOUND  text6.troubling

NOT FOUND  text7.turning



キリの良いところで10話完結を目指しています。


なんぢら いづくにぞ

葉 落ちし木ゝ
なんぢら いづくにぞ往かむ
強し風より 相ひ守りて
細枝 寒ゝしにけり
而して幹 生き残りしに
なんぞ細枝の寒ゝしや
なんぞ細枝の寒ゝしや
なんぢら いづくにぞ往かむ


more different


My追加?
意見感想苦情文句罵倒その他所見