月の詩
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2002年11月29日(金) ほのか。

ゆびさきのほのかなぬくもり。
それさえも貴重なできごと。


2002年11月27日(水) 冬の街。

街角で偶然。
彼の白い靴。
斜後ろの気配。
耳に落ちた声。
気付いていたのに。
振り返ってみれば良かったのに。
確かめてそうなら挨拶のひとつでもなんて。
出来ないから。
逃げるように、
足早に立ち去った。

いつまでも、変わらない。
いつも、変わらない。
いつまで、くり返す?


2002年11月25日(月) 想う。

視界の端に、
彼を留める。
それで、今は、
精一杯の、
想いなのです。


2002年11月24日(日) 十一月。

11月は、泣く事をためらわない。

どんな痛みも、それは想いの結晶だから。

あの、悲しみと表裏一体の幸福。

私達が手にした永遠。

銀色の輝きの渦の中心。

スタートは11月。

どんなに苦しくて、切なくて、悲しくて、

痛くても。

手首を切るような真似だけはしないと誓った。

この事で、自分を傷つけるのはやめようと、誓った。

誠実さに泥を塗るような真似だけはしまいと想った。

だから。

11月は泣く事をやめない。

いつまでも同じ冷たい涙でも。

そして叶うならもう一度。

あの時を。


2002年11月23日(土) MY SELF

『誰か』の言葉に揺れて。
自分自身を何処かに忘れて。
私は私を掴めない。

『自分を好きでも嫌いでもない』
そう言った尊敬するベーシスト。
『自分が好きだ』
そう言った、大好きなシンガー。
私は自分が分からない。
私は自分が見えない。

私はどこにいるのだろう?


2002年11月22日(金) 寒。

指先も、こごえるほどの、
冷たい空気すら、
心地よいと思えてしまう。
心が、凍えて。
この寒い暗闇に、
私は独りだと思うことで、
何かから救われようとしている。


2002年11月20日(水) 告白。

できないとわかってても。
気持ちは変えられないから。
しかしあなたの視線は
別の誰かを探しているようで。
思い過ごしでもなんでも。
それは心に突き刺さる痛み。
何も告げられないまま、
時をやりすごす。
同じ事を、またくり返す。


2002年11月19日(火) 傷跡。

残ったものは、
それだけじゃないでしょう?
得たものも、
確かにあったでしょう?


2002年11月12日(火) なくしたもの。

なくしたものと、
えたものと。
はかりにかけたら。
どちらがおもい?


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