TOI,TOI,TOI!


2003年02月22日(土) カーニバル

ここのところ、いいお天気。
もうすぐ春かな。

13日木曜に、作曲家の学生の作品展があり、
カルテットとオクテットで2回出演。

オクテットは、3日前になっていきなり言われた。
17歳の男の子が書いた曲で、編成はバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、各2本ずつ。
合わせが、前日と当日の2回だけってのは少なくないかい。
短い曲で、指揮者がつくので弾くのはそんなに大変じゃなかったんだけど・・・
その曲の中間部は、指揮者がたたく拍に合わせてみんなが台詞をしゃべるというもの。
これには参ったね。
合わせのときに、指揮者に一人で言わされて、
「練習してきて」とか言われるし。
私にとっては早口言葉みたいなもんで、もうカミカミで、
練習してたら、マライケに発音をチェックされたし。

本番は、カルテットもオクテットも、まあ無事に終了。


19日には、学校の大ホールでコンサート。
これは、「ファッシング・コンサート〜バイオリンによる軽い音楽〜」
というもので、
ファッシングというのは、カーニバルっていう意味で、
みんな仮装したり、すごーいメイクしたりするお祭り。
この祭りが、もともとどんな意味があるのかは、よく分かりません。

プログラムはバイオリンの曲ばかり。
うちのクラスは、全員出演。
みんなすごーい派手な格好。
私は、そんな突飛なものは持ってないので、
紺の上下スーツに、赤のボーダーT&スニーカーというアンバランスファッションで、なんとか対応。

マライケは腕に赤のレッグウォーマー、腰に蛍光色のマフラー。変。
バーバラは、虹色の長靴下が鮮やか。
ユーディトは、スナフキンみたいな緑の帽子が可愛い。
リリアは、長い髪を、真横にふたつ結び。可愛すぎて、つい吹き出した。
エファ、イナは、キラキラの粉を体中に振りまいて、キラキラ。
そして、ふたりとも銀のつけまつげ。すんごいんだよ。コントみたいだよ。
先生は、半ズボンに長靴下なんだけど、片方がきれーいな朱色。

トーマスは、スキー靴にスキージャケット。フードをかぶって口も覆われているので、目だけ見えてる状態。歩くと、ガチャンガチャンと音がする。ほとんどロボット。もう、そこに立ってるだけで笑えて、苦しい。
ジュゼッペは、頭に赤いつの。そして、ディズニーかなんかの陽気な顔した人形をバイオリンの渦巻の部分にぶら下げていて、弾くときにそれが揺れるのが、もう、なんだか知らないけどツボにはまった。思いっっきし揺れてんだもん。ジュゼッペが真顔で弾いてるから余計おかしいの。
ヨハネスは、ジゴロ風。で、なぜかアフロ。

などなど・・・

若い子達がキャーキャー言いながら、ギラギラにメイクしてる中で、
ボォーッとして座ってたら、
エファから銀の口紅を塗られ、マライケに鼻の頭を赤く塗られた。

プログラムの最初に、みんなで先生が作った曲を歌う。
これ恥ずかしかった!!
だって、クラシックの人が作った、なんだかスイング入ったみたいな曲って、どうもね。
Uh!とかいう掛け声とか、突然口笛でメンコンのフレーズとか、冗談がいっぱい入ってるけど、どう〜も・・・・。

で、そのあと、ピアノパートが転調して転調してどんどんクラシックっぽくなっていき、2ページずっと16分音符の曲をクラス全員で演奏。

そのあとは、マリア、ヨハネス、ジュゼッペ、デヴィットがソロを1曲ずつ。
Kがバロックで室内楽。ユキがジャズ。
ほかのクラスの日本人ヴァイオリン君とコントラバス君によるデュオ
先生、シュトート先生(バイオリン)、ビオラクリストフ、コントラバスクラウス先生、ホルン2本による、モーツアルトの冗談だらけの曲。
これは、まじで笑った。お勧めです。曲名忘れたけど。

そして、最後に出演者みんなでハンガリー舞曲を弾きました。


20日は、ジュゼッペ、イナ(ビオラ)、パヌーと、
パーティで2時間弾く仕事。
クラシックだけでなく、いろんなジャンルの曲をパーティの食事のBGMとして弾いた。

最近、ありがたいことに仕事が多くなってきた。
来週もひとつ。
3月にも、いくつか入っている。


2003年02月10日(月) 味噌汁とミュンヘンフィル

昨日は、フランクフルトにミュンヘンフィルがやってきた。
新婚のアンネゾフィー・ムター&アンドレ・プレヴィン夫妻と一緒に。

ミュンヘンフィルはおととしの冬、先生探しの旅で初めてドイツに来たときに初めて聞いて、それ以来何回かミュンヘンで聞いている。
初めてドイツでドイツのオケを聞いたのがミュンヘンフィルだったんだけど、2年経った今でもやっぱり一番好きなオケかもしれない。

昼間、ほかのオケのメンバーと共に、N姉さんフランクフルト入り。
マライケも来て、3人でうちで昼ご飯。
メニューは、白いご飯と味噌汁、サラダ。手間はかかってないけど、Nの好み、計算済みなのね。

マライケは人生初ミソズッぺだったけど、気に入ったようで、
これをいつも作ってほしいとか言ってました。でも、白いご飯は「つまんない」だそうで。はい、そう言うと思った。
これは理解できないらしいですね。こっちの人には。
マライケも、所詮こっちの人か。当たり前か。

一説によると、ご飯+味噌汁とか、ご飯+おかずを、口の中で一緒にして食べる(味わう)ということが出来るのは、日本人だけだとか。
たとえば、焼肉とか焼き魚とかそういうものを食べると、白いご飯がほし〜って私達は思うけど、その感覚がないってことでしょうね。それこそ理解できないですけど。私には。

っつうわけで、このドイツ人は味噌汁の中にご飯を入れて(一応ダメって言ったけど、時すでに遅し)、サラダには塩をかけていました。あーあ。

話はそれるけど、最近、ユーディットのうちに3人集まったときのこと。
茹で上がったスパゲッティの麺をざるにあげたら・・・マライケのアホが水道の蛇口をひねった!キャー!やめて―!なんでー!
と大騒ぎする私。慌てて水を止める。

ドイツ人の習慣なのか、ゆでたパスタを冷やす(洗う?)のには、なにか理由があるらしく、隣でなんじゃかんじゃと主張をはじめた。しかもまた蛇口を強引にひねろうとする。
主張の内容なんてヒアリングする気なし。絶対、だめ!それは間違い!と強く言って、パスタのざるを持って逃げる私。
誰かイタリア人に聞きなさい、ね?絶対間違いだから。と言ったら、分かったよぅと言って引き下がったけど・・・まじでびっくりした。

後日、ジュゼッペに確認しました。もちろん間違い!あたりまえ!

っつうか、パスタ茹で上がってから、どっかいくなよ、ユーディト。椅子を取りに?物置に?おーい!「パスタは茹で上がったらすぐに食べなければならない・・」とか、ぶつぶつ私が言っても、マライケは鼻で笑っただけ。
ドイツ人ってほんとに「食」にうるさくなさすぎです。おいしいものを『おいしく』食べるってことに興味がないんですね。料理もあんまりしないし。

あと、マライケは私が包丁とまな板できゅうりをトントントントントンッとやりだしたら、イ〜〜〜!と言って逃げまわっていた。そんなに怖いか?


話を戻します。

コンサートは、面白かった。
いろいろ考えたし感じたし勉強になったし、いいコンサートだった。
オケはやっぱり上手かった。
フォルテの音の広がり方がすごい!というのはマライケ談。同感。

コンサート後にも、N、マライケ、その他オケのメンバー数人が加わって中華を食べにいき、
マライケは初対面の人だらけに囲まれても全然大丈夫で、いっぱいしゃべってました。なんでかわかんないけど、友達同士が知り合いになるのって好きなんだよなあ、私。
楽しかった。


2003年02月06日(木) やっぱり舞台向き

昨日は、VORTRAGSABEND IM GROSSEN SAAL。
学校の大ホールにて、クラスの発表会です。

10月かなんかにベートーベンを弾いた以来の、大ホール。


     ―――― プログラム ――――

Bacewicz:Quartett fuer 4 Violinen
       ノブコ・バーバラ・ユーディト・マライケ      

Schubert:Rondo A-dur   ユキ

Saint Saaens:Sonate   ジュゼッペ

Hindemith:Konzert 1.+2. K子

Bach:Solosonate a-moll 1.+2. ヨハネス 3.+4. 絶壁 

Brahms:Sonate A-dur フローニ

Ysaye:Ballade ユキ

Schubert:Rondo brillant h-moll ノブコ
          

ドイツ語にはvorspielenという単語があって、
これは、(人前で)演奏するという意味なんだけど、
私達の先生は、人前で弾くことを非常に重要視していてですね、
毎週水曜日、つまり週1回その機会をつくってくれるのです。
クラスのメンバーがちょっと広めのレッスン室に集まって、お互いに演奏を聴き合う。毎週全員が弾くわけではない。先生に弾けと言われた人は弾くし、言われなくても弾きたいと自分が言えば、弾かせてもらえる。
まだできあがってなくても、みんなけっこうどんどん弾く。
響かない、狭い部屋で、クラスの人と先生の前で弾くのって、
実は、一番緊張する本番なんだと思う。
ごまかしたり、はったりをきかせたりしてもばれる。だから全部さらけ出して、どんどん恥をかく。

年末からやってたシューベルトのロンドだけど、ピアニストの人と先生の意見があんまりにも正反対なので、あまり楽しくなくて気も乗らなくて、2週間前の水曜に1回弾いて、それで終わりにするつもりだったんだけど、その日弾いた後先生に「Vortragsabendで弾きなさい」と言われて弾くことになった。

毎週定期的に行われるvorspielenの内、学期中に数回はホールを借りて、ちゃんとしたコンサートをします。
先生自ら、手書きのかわいいプログラムとポスターを描いてくれて、お客さんにも来てもらう。
これがVortrags-Abendです。
で、Vortragsabendの1週間前のVorspielは、Vortragsabendで弾く予定のメンバーによるゲネプロ(レッスン室だけど)なので、ここでも弾き・・・

毎週水曜日にロンドを弾く女。
3週連続。

Bacewiczも、最終的にはそれなりにまとまり、楽しかった。
レッスンも3回受けて、それですごくよくなったし、
それまでこの曲を知らなかった先生も、すごくこの曲を気に入ってくれて、
「ノブコが(日本から)こんないい曲を持ってきたよ!」
とか言ってくれた。
ほかの3人も、すごく楽しいといつも言ってくれてた。
そして、本番も楽しかった。

ロンド。
前にもここに書いた気がするけど、やっぱり広いとこで弾くのが私は好きで、すっご〜い気持ちよかった。
変な緊張もしなくて、自分を解放できました。
普段は必要以上に人を誉めないバーバラやジュゼッペが誉めてくれたのが嬉しかった。
正直な友達を持つと、こういうときの嬉しさは格別。


2003年02月02日(日) 気付けば2月。真冬。

最近、また寒いです。
雪が降ったり止んだり。
最近降る雪は、細かくてサラサラで、窓から見てるととってもきれい。
実際外に出ると、寒くて何も考えられなくなるけど。

昨日はクロンベルクで、先生の知り合いの人の「還暦祝いパーティ」で弾く仕事。
場所は、雰囲気のある古城ホテルで
曲は、
モーツアルト「アイネクライネナハトムジーク」
ヴィヴァルディ「冬」

コントラバス入りの弦楽五重奏で、先生以外は学生。
先生、私、ビオラも同じ学校の子、チェロトニオ、コントラバス日本人のFというメンバーでした。あと、冬のソロはマリア。

先生が、こういう仕事に、私を選んでくれて、すごく嬉しい。
室内楽バカ冥利につきます。
やっぱり楽しい。燃えるね。


話は変わって、
今、冬物バーゲンの季節。
日本でもやってるんだろうなあ。
とりあえず、だいたい今週から来週までだそう。
そのあと、売れ残りを更に値下げってのもあると思うけどね。

ドイツの服って、
なんかデザインが野暮ったかったり、体に全然合わなかったり、
こっちに来た当初は全然気に入らなかったし、
こっちに長く住んでる日本人でも、日本で買った服ばっかり着てる人も少なくないんだけど、
1年以上住んで、どこに何が売ってるかよく分かってきて、
今では、ドイツで買った服を来ている日のほうが多くなりました。
探せば、あるとこにはあるのよ。

私が思うに、ドイツの服屋さんって、仕入れ量がものすごーく多い。
多すぎるのでは、と心配になるぐらい。私の知ったこっちゃないけど。
しかし、あれだけわんさか!とあると、購買意欲が高まるのは確か。
こんなもの誰が買うのか?という面白い服が、大半なんだけど。

そんな中、秋にオープンした『ZARA』が、
ただ今、半額セール中。
この店は、最近ちょっとシックな方向を好むようになりつつある私の、
思いっきりストライクゾーン。来たね。
”面白い服”のほうが少ない店ってのは、フランクフルトでここだけじゃないの?

貧乏留学生、バーゲンでしか服なんて買えないので、今を逃すと大変。
というわけで、今週は行って来ましたよ。町へと。すぐ近くだけど。

マライケと一緒にいろいろ見たんだけど、
結局ZARAでしか買わなかった。ZARA万歳。

いい買い物したあとは、気分がいいです。
すっかりご機嫌です。


そういえば、うれしい話がひとつある。
私は、月のものがとっても重くてとっても長くてとっても痛い人なんだけど、
ここ2回、とても軽いのだ。なぜか。

体質が変わったのかな?食生活かな?精神的なもの?
すごく謎。
でもなんにせよ、うれしい。


  
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