diary.
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嫌いな食べ物「キュウリ」


2004年06月24日(木) 無い

何をするでも無い。
唯、此処に居るだけだ。


せめて平面に脚を付けて生を吐き出す同類らしく居よう。




触り、刺し、切られ、食べられても何をも言うまい。
笑うだけだ。
或いは生塵として棄てられるのなら其れは其れで一興。

貴方の平面と私の平面は、次元すら歪むことなく繋がっている。




何が恐ろしいもので在るか、そうで無いのか、理解出来ていないのなら、其れは少々、平面上に浮かぶデルタという脚跡が向かう先にしか過ぎない。
そんな時だけに私はそっと笑いを棄てて眉を顰めるのだ。




「可哀想に、何も判らずに逝ってしまった」


2004年06月07日(月) 「花壇」

今日、虫を一匹殺します。

ただ、虫が花に寄るのは本能であるし、悪いことは言えない。
けれど其の花は私の花だ。


虫の気持ちがわからいでもない。
だが其の花は私の花だ。



喰われた花は枯れかけ、もう私の花として成り立たぬまでになった。
土に萎れ、茶色に変色し、露に濡れてでろりと地より剥がれない。
だが其れは私のものだ。




虫の気持ちが分からなくは無い。
だからなるべくならこの理不尽な感情に、
静かな言葉を載せるしか術を持たぬ。



花が、虫寄るままにしていたことも、
花が、受粉を望んでいたやも知れぬことも、
嗚呼この際関係あるまい。
水をあげようと如雨露を片手に愕然とした私に、
花は萎びた姿でこう言った。


「水を下さい、貴女の水を!」




虫を一匹、殺すよと言ったところで、
花はもう、それしか言葉を発さなかった。

それなら私は今までの何もかもを、
今回のみ、打ち棄てて水をやるのだ。




虫を一匹殺します。


さくま