ニューヨーク俳優修行日記
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2005年03月26日(土)

日々淡々と


ばたばたばたばたと日が経っていく。

水曜日はデューク大学(ノースキャロライナ)ヘ出張。
空港で4時間待ち。
すごく退屈なはずの時間がキャストの仲間のおかげで
それなりに楽しめた。恵まれた事だ。

木曜は久々にケータリング。
そして,金曜日の夜もケータリング。
せっかくの休みだったのに仕事を受けてしまうのは
仕事がなかった頃の名残か。

子供を教える仕事のオファーあり。
前回はスケジュールがあわず,辞退したが,
今回は無理をして受ける。
やはり貧乏暇無し?
今回は4歳児と5歳児を教える事になる。
5週間、10セッション。
せっかく暇な四月をこれでまた忙しくしてしまう。

さらに友人からこの秋に彼女のダンスピースのために
ドラマターグとして参加しないかとのお誘い。
ドラマターグというのは、作品に関するアドバイザー
ノヨウな仕事?である。
もちろん,二つ返事で引き受ける。

公演のために様々な人にコンタクトした。
男優,音響,照明などなど。
未だ返事がないので少々不安。
うまく人がそろうといいけど。





2005年03月22日(火)

中だるみ


仕事が続くと,どうしても緊張感も薄れてくる。
昨日はそれがもろに表に出てしまった日だ。

キャストの一人がマイクをつけたまま(オンのまま)
トイレに行ってしまった。
もちろん,観客は大笑い,司会者はなんとかまとめようとしたものの
笑い飛ばすしか手がなかった。

その時トイレにいたのは二人。
どちらも自分のマイクはオフだったと言っている。
でも,どちらかはオンだった訳だ。
誰かが嘘をついている。

仕事が終わったあと,司会者は主催者に謝罪,
その後キャストに話している時に
彼女はすごく恥ずかしかった(embarrassed)といって
泣いてしまった。

これから気をつけよう。




2005年03月21日(月)

Money


そんな訳で資金集めのために
いろいろな知り合いにメールを出している。
平たく言ってしまえば,お金を乞うているわけで、
まあそれなりの抵抗もある。

いずれにせよ,かなりの金額を自分でつぎ込む事に
なりそうだから,せいぜい過程を楽しむ事にする。

今日はカンパニーのロゴ作り。
とはいえ,うちの相方がデザインをして
自分はウンウン言うだけだけど。
なかなかかっこいいものが出来た。
あとはウェブサイトの作成。諸々。
以外にもこういった細かい事を決める事がうれしかったりする。
自分のものを創造していく喜びなのか。

今日はオーディションでちょっと変わった女の子にあった。
彼女はフランス育ちの日本人モデル/女優で
NYに最近来たらしい。
会う人全員にどこからオーディションをもらったのか
聞いていた。NYではだいたいみんな抵抗なく
そのての話は教えてくれるけど,彼女は誰彼かまわず,
問いつめていたのが可笑しかった。
これから映画出たいらしい。
かわいい子だったけど,この先大丈夫なのだろうか。






2005年03月20日(日)

仕事,オーディション。


3月は今までにないぐらい忙しく,
先週はそのピークだった。
おかげで結構疲れてる。
さらに公演決定した事の興奮も薄れ
今はそのための準備の事を考えている。
もちろん,まだ興奮もしている訳だけど,
結構ビビっている自分もいる。

とりあえずは,制作のスタッフを探すこと。
そして,俳優。
頼んでいた俳優の一人が出来ない事がわかったので
日本人俳優一人,アメリカ人俳優一人を
新たに見つけなければならない。
こちらでバックステージと言うオーディション情報を
載せた新聞があるのだけれど,出来ればそれには
頼らずに用を済ませたい。なぜかと言うと,
そこに掲載するととんでもない数の応募があるからだ。
しかし,新しいタレント探しているので
もしかするとそれもやむを得ないかも。

金曜日にオフオフで芝居を観た。
日本人の女性が演出しているので
興味があり観に行った。
まだ新しい劇団で頑張っているのが
よくわかる。
ただ,あまりにもメッセージ色が強く,
僕には少々つらかった。
日本にいる時は戯曲のあまりの下らなさに
閉口したけれど,こちらではその逆のケースがよくある。
問題意識がすごく強く、戯曲がそれに飲まれているケース。

いずれにせよ,人が頑張っているのを見るのは
とても参考にはなる。

オーディションもいくつかあった。
どれもコマーシャル。
それでも,仕事がとれない自分に少し嫌気がさして
いる自分を感じるので、とっとと忘れるように
しなければならない。





2005年03月14日(月)

公演決定


6月公演の為の劇場が決まった。
2週間の公演をチャイナタウン近くにある劇場で行う。
これからいよいよ資金集めが大変だ。

仕事の方は相変わらず忙しく、
少々バテ気味。
疲れていて、何もやる気なし。

ジャパニーズ エイジアンという本を読んだ。
アジアを旅している日本人のスナップショットと
筆者の旅行記兼日本人たちの描写。
これを読んでアジアにすぐに行きたくなるには
ほんの少し年をとりすぎたような気もするけど、
とても面白く読んだ。

やらなければならないことを好きになる、という人が
中にいたのだけれど、この言葉がすごく胸に響いた。
やらなければならないことを好きになる。
違う視点が心地よい。



2005年03月11日(金)

劇団について


所属しているは、去年から活動休止していたのだけれど,
ついに事務所も引き払ったとの事だ。

やめようやめようと思っていた劇団でも,
終わりがくると悲しくなるものみたいだ。
主催の二人は色々活動しているので
今後も忙しそうだ。しかし、劇団として
活動する事は当分なさそうである。

劇団。
これはまさに愛憎入り交じる関係のるつぼ。
集団である以上,どうしてもいろいろ人間関係で
もめたりもする。でも,やはり帰るうちがあるというのは
うれしかったもする。

今回,芝居をプロデュースするにあたり、
一応劇団を設立した。とはいえ,実態はメンバー一人で
あとは公演ごと(次公演があるとすれば)に人をあつめる
事になるだろう。団員同士のあの濃くてあつい時間は
好きだけど,マネージする事を考えるとやはりきつい。

何にせよ,四年間,芝居5本,楽しく過ごさせていただきました。




2005年03月10日(木)

いたたたた


先日のオーディションは駄目だった。
昨日,監督からメールがあって,
オーディションはすごく良かったけど,
今回は別に気に入った俳優がいるので
又、次の機会にという事だった。
がっくりである。

昨日のハードな一日は無事終了し,
今日は割とマイルドな一日。
それでも仕事の間にオーディションが入った。
貧乏暇無しである。

昨日,劇場を観て来た。
3つ下見した中で,一つの劇場が
なかなか気に入った。
小屋が空いているようなら,
このまま其処を押さえる事になりそうだ。
共同プロデューサーも気に入っている模様。
小屋が決まれば,あとは制作費をどうするか?
だんだんと体がわくわくして来た。

内田百間の阿房列車を読んでいる。
これは彼の無目的旅行の旅行記。
無目的,つまり,何の用事もなく、
観光でもなく,ただただある場所に行くためだけに
列車に乗る。しかも、そのために借金までしてだ。
例えば,ただ,大阪に行って,翌日帰ってくる。
その間の様子が詳しく,かつ、でたらめに書いてある。
面白いから他人にも勧めたい。
かなりラディカルだ。





2005年03月08日(火)

すぐに泣け


久しぶりに自主制作映画のオーディション。
台詞はいっさいなく,ほぼビジュアルのみの演技。
妻の葬式の日に悲しいながらも,ある種のセックスドライブを
否定できずにいる男の話。
オーディションでは妻の墓の前で泣き出したものの,
その横においてある紙袋が気になって
泣くのをやめると言う演技。
それから,その袋に中にあった二つのパンから
なぜかおっぱいを連想し,それに武者張りつかずには
いられないという演技を要求された。

役者なんだから,キュー一つで泣く事ぐらいできるでしょう、
という人もいるけど,僕はこれが実に苦手だ。
だから,オーディション先でこれを読んだとき
正直こんなの出来ねえよ、思った。

ところがいざ初めて見ると,意外と泣けたのでびっくり。
別に嘘泣きというのでもなく,墓にいる時に寂しい感じ,
自分の四肢が空になっていく感じを連想して,
自分の中を良く見渡してみたら,意外と簡単に泣けた。
自分でも,結構驚いた。
台詞がなくてもいいというのが,楽だったのかもしれない。

自分としてはまずまずの出来。
これで役がとれなかったら,もう仕方ない。

今週はずっと仕事(企業研修)でかなり疲れてる。
明日はフィラデルフィア。朝6時起きである。
午前中はそこで仕事,午後はマンハッタンに戻って
リハーサル。5時半から劇場の下見をして
7時から演技の授業。考えただけで疲れる。



2005年03月02日(水)

プレゼンス


役者の存在感。
プレゼンス。
よく存在感があるとかないとか
言うけれど,これは確かに重要な要素だ。

役者にとって存在感/プレセンスがあるとはどういう事か?
要はその場にどうたっていられるか?
その瞬間にどういられるのか?
過去でも未来でもなく、瞬間瞬間に存在し続けること。
これはすごく難しいし,居心地が悪い。
でも,これが出来ないと,観ていてわくわくするような
演技は出てこない。台本があって,決まり事もあるのだけれど,
それでもなお,役者本人すら次がどうなるのかわかないような
危機感。

どうやって,これが出来るようになるのか?
今,僕は考えている。
知り合いの人から誘われて
あるワークショップへ参加した。
ここではまさに上に書いてあるような事を
肉体を使って訓練する。
動きの即興。いかに今を生きるか?
そして,いかに自分勝手になれるか?
自分のインパルスを自分勝手にどんどん追っかけていく。
相手の事とか,芝居の事とか考えずに
自分ですらコントロールしかねる場所へ
足を踏み入れていく。
難しいんだよねえこれが。

課題です。

明日からインディアナへ行く。
一泊の仕事。







      

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