紫陽花寺
2007年06月18日(月)
鎌倉のあじさい寺はその名を明光院と申します。 四季折々の花の咲く山を背に、今の季節のこの寺の境内には、いく種もの紫陽花の花々が繚乱と咲き乱れているのでございます。
神無月の光が煌々と届く静かな石庭も、日中はたわわな紫陽花を愛でるように鳴く鶯の声に活き活きと影までが華やいでいるのでございます。
この寺には、絽の墨衣の下の胸元には襦袢の襟も冴え冴えと白く、襟足は清々しいほどに青いこぢんまりとした尼僧がひとり、古くからの寺をお守りしているのでございますが…。
新月の夜、月の見えない暗い夜ともなりますと、紫陽花の花びらの下に隠れて張られた蜘蛛の巣のように、尼僧の白いうなじは艶かしくも血のめぐる薄紅色に染まり、どこからかやってくる翁などを捕らえては色濃い一夜を過ごすのでございます。
やがて白々と夜が明ける頃、紫陽花の花弁の下で細い蜘蛛の巣は明るい陽の光を浴びて朝の露を行く筋もしたたらせて妖しく光っているのでございます。
石庭には鶯の鳴く声と共に、清清とした尼僧の勤行の声音が聞こえ、再び静謐な寺の朝が始まるのでございます。
なんちゃって〜 鎌倉、明月院、またの名をあじさい寺、なんていうと、そーんなお話が浮かんでしまうのでありますが、昨日行ってまいりました、いざ鎌倉♪
このお寺は、北条時頼の建てた最明寺跡に、子の時宗が禅興寺を建立し、明月院はこの塔頭として室町時代、関東管領上杉憲方によって建てられたもので、境内には本堂、北条時頼の墓、鎌倉十井のひとつ瓶ノ井、明月院やぐらなどがあります。
かねてより訪れてみたかったのですが、昨日は梅雨にしては湿度もなくカラリと晴れ、お出かけ日和かなぁ?と思い立ったが吉日でしたが、聞きしにまさる人人人!そりゃもーすげーのなんのって、あーた!北鎌倉の駅からもうずっと人人人。駅に着いたのはかれこれ2時近かったので行きも帰りも人がたくさーん。
強い日差しの中、沢山の紫陽花を愛でてまいりました。ええ、門から参道、境内とどこもかしこも紫陽花の花花花。今が旬というのは花もひとも艶やかでですね。
中でも一番多かったのははやり、ポピュラーなヒメアジサイ。淡い青から深い青になる花びらの透き通るような青色は「明月院ブルー」と呼ばれているのだとか。宝石のような色ですね。
その外にも新種の紫陽花が幾種類もところ狭しと咲いていて、細い小道は多岐に渡り方々へと伸びているのですが、どこもかしこも色とりどりの様々な紫陽花の花に囲まれ、本当に紫陽花の中を歩くようでした。
それから、ラッキーだったのが、本堂後ろにある庭園に咲く花菖蒲畑。こちらはなんと、期間限定で公開するお庭なのですが、昨日が最終日との事でラッキーでした。
画像は本堂前の枯山水の庭園、何故か気になった竹やぶの。そして、道々を取り囲む紫陽花たち。
ええ、ほんっと、たっぷりと自然に触れ合ってまいりました。 艶かしい尼さんはいなかったですけどね。 チョット残念。(笑)
Copyright©*momo* 2001-2006 (Prison Hotel)
|