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2005年11月03日(木) 面倒くさい女。

■わたしは面倒くさい女だ。
 今夜の問題は、何しろ、嫉妬深いということだ。
 そのくせ頭がいい。なんだか半端に頭がいいものだから、自分の感情他人の感情を分析してかかる。これが大体的を射ている。
 なのに。わかっていることが、自分の感情に馴染まない。
 これは相当面倒くさい。
 だから、頭から血を流して死にそうになったりする。
 だから、今夜みたいに、夜の町を彷徨ってしまったりする。
 危なくって仕方ない。
 もう、いやだなあ、こんな自分とつきあうのは!

■現在の恋人と一緒にいると、いろんなことに気づく。幸福と絶望がかわるがわるに訪れて、落ち着きどころがなく危なっかしくって、こんなどうしようもないわたしにふさわしい男だなあとも思う。良くも悪くも、生きてることをこんなにも実感させてくれて、この10年ほどの間なかったくらい、わたしに飢えと乾きと歓びと潤いとを与えてくれて、この「生きてる」ってことを表現しなきゃ生きていけないって気持ちにさせてくれる。でも、それは、もう、何やら等身大の自分にはしんどくてしんどくて。

 ああ、悔しいから、いい仕事して、たくさんの人を感動させて、たくさんの人を気持ちよくさせたり不快にさせたり、とにかく表現し続けて、で、この私自身は、一生きれいでいて、ぐちゃぐちゃな愚か者なりに心も育て続けて、かっこよく生きてこう。くそっ。一生、かっこうよく生きてやるぞ。

 ああ、なんて夜だ。

 あと何回こんな夜を過ごさなきゃいけないんだ! とも思うし、この整理不可能な感情こそが、生きてる証、とも、思う夜。

 ああ。


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