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2003年11月24日(月) 再び、繰り返しの日々。●誰か(宮部みゆき)

●最近、日記を書くのをさぼりがち。
 毎日が繰り返しの日々になっているからだろうか? 
 
 素晴らしい公演に参加しているので、毎日刺激的だし、毎日同じように興奮する。毎日真剣に働いている。その繰り返し。繰り返しを全うすることが、今の仕事。
 だから書かないってのは、でも、ちょっと違うなあ。だって、結局は食べて寝て働いて、プラスアルファ、そんなこんなの繰り返しが、生活なんだものなあ。
 そうだ、ようやく自分の時間を少し持てるようになったので、夢中になって読んでいたり夢中になってピアノを弾いていたりするせいか?
 
●この仕事が終わったら、どうしても休日をこしらえて(休日は自分でゲットするものだ!)、恋人を訪ねる計画をたてている。年末の馬鹿みたいに高いフライト料を払って、半日しか会えないにしても。

●今日は、キャストスタッフが集まっての初めての飲み会。本番中のキャストと一緒である限り、わたしは90パーセント仕事気分。それでも、十分に楽しんだ。盛り上がり過ぎ。淀みのない幸せな時間。(もっとも、幸せ過ぎるとわたしはいつも物足りなさを感じるのだが。)
 終わった時間が早かったので、ほろ酔い気分で通いつけの本屋へ。最近はもっぱらネットの本屋にお世話になっているが、やはり本屋に立ち寄るのは楽しいものだ。不思議の国のアリス、オリジナル版、ルイス・キャロル手書きの素敵な本を見つけた。
 このところわたしはアリスに夢中だ。それというのも、Robert Sabudaという人のポップアップ絵本を先日入手したせい。これがもう、ため息がこぼれてやまない素敵なもの。この素晴らしさは、Etceteraで写真を添えて近々紹介しよう。

●宮部みゆきの新作を二晩で読了。
 デビュー当時から新作が出るたびにすぐに読みたくなる作家だが、このところがっかりさせられることが多い。その道徳観がだんだん古くさく感じられて……。
 このたびの作品も、真っ当な人のみに作家が寄りすぎている。真っ当でない人を簡単に断罪しすぎる。「模倣犯」だって、結局掘り下げられるのは、真っ当な主人公の少年と祖父で、犯人たちの人格は、真っ当でないことをひたすら描写することに終わっていたものなあ……。
 稀代の物語作家と信ずるだけに、このところの作品に寂しさを感じてしまう。
 


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