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2003年11月06日(木) 本のつながり。

●美しき大人の女は、決して電車の中で眠ったりしないのだろうか?
 わたしは相変わらず、郊外の現場へ向かう車中30分を、毎日ぐうぐう寝てしまう。まったく情けないが、1日のほとんどを仕事で過ごす上に、家でもやりたいことが山積みなのだから、寝不足にもなろうというもの。
 さすがに寝顔を不特定多数の他人に見られるのは恥ずかしいので、お気に入りのフェラガモのサングラスをかけているが、それでもやっぱりねえ。

 昨日ここに書いた後輩に本を持っていったら、彼女もわたしに持ってきてくれていた。「これ、読んでみてほしくって……」と。
 うーん、こういうのは嬉しい。実にうれしい。心がほかほかする。
 この日記をアップしたら、早速読み始めよう。ああ、うれしい。

●緊張する仕事が続くせいか、肩こりがひどい。
 母が今のわたしの歳のときには、わたしは中学生で、そう言えばよく肩もみしてあげてたっけ。……なんだか複雑な気持ち。

●稽古が終わっての作業時間。仕事場のオーディオセットで、カラスの歌った「椿姫」をかける。ついつい仕事する手が止まって、聞き惚れる。「乾杯の歌」にあわせて稽古場の冷蔵庫からビールを持ち出す人もいる。
 それにしても、カラスのコロラトゥーラの美しいこと。
 舞台に立つために猛烈なダイエットをし、歌いたい歌を歌うために、メゾからソプラノにまで音域を後天的に広げたカラス。彼女はただの天才ではない。
 その彼女のライブ盤は、まさに宝物。劇場に湧き上がる拍手にあわせて、わたしも小さな声で「ブラボー」とささやきながら仕事を続けた。


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