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2003年09月21日(日) 囚われの身。 ●流星ワゴン(重松清)

●書かなかった間に、大変な仕事の初日を開けた。
 初日を見守るときは、心配で手に汗握り、のどをカラカラにして見守った。立派に初日を開けてきた若い出演者たちを迎えると、彼らは泣きながら胸に飛び込んできた。わたしももらい泣きして、からかわれた。
 わたしは幸せに初日を開けるための努力を精一杯したし、頑張りは通じたし、まわりもわたしの仕事ぶりを大いに評価してくれた。

 わたしは、回りから見ると、なんの不安もない人に見えるだろう。
 この先、とりあえず、来年の今頃までは仕事で埋まっているし、自分を認めてくれる人もたくさんいる。色んなところで愛されていると思う。

●それでも、今、ひとつ仕事を終えてようやく自分の時間が少し持てるようになって、わたしはただひたすらに虚無感を味わっている。
 
 生きていることがつまらない。
 そんなことを思ったことがかつてあったとしても、思い出せないくらい昔のことだ。
 でも、今、そう思う。

●恋人が日本を離れる。
 そのサイアクの現実から逃げるために、この夏、わたしは別の男性と結婚しようと画策した。もちろん、そのことを叶えようとしているときは、逃避のための画策だなんて、全く思っていなかった。真剣だった。
 でも、今となっては、そうとしか思えない。
 わたしは、最低のやり方で、一人の男性を傷つけた。

 恋人がいなくなってしまう。そのサイアクの現実を直前にして、わたしは泣いたり喚いたりを通り越して、生きているのが空しい。

 この空しさは、彼がいなくなることだけが原因なのか、それとも、もっと自分の現在の根本的なことが原因なのか、自分でもよく分からない。

●眠りが足らず、集中力を使いすぎ、自分を慰撫してこなかったから、心も体も疲れているのだ。だからそんな後ろ向きな気分に囚われるのだと、自分に言い聞かせても、やはりそこから逃げ出せない。
 このわたしが、本を読むことでも癒されない。いつもは、物語の中に入り込むことで幾分か癒されて戻ってこれるのに……。

●ちょっと早い更年期障害かしら? と、自分を笑ってみる。
 
 そこには、ただただ、愛する人と共にいたい、41歳のわたしがいる。
 


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