おひさまの日記
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2010年06月10日(木) さよなら

アンナと散歩に行った。
いつものお寺に寄る。

足を踏み入れて、私達は言葉を失った。

そこにあった立派な2本の桜の木がなくなっていたのだ。
無惨な切り株が、切り倒されたであろう老木の名残りとしてそこにあった。
心ない切り方に見えた。
雑に切り倒したであろうことが切り口から伺えた。
いや、私が勝手にそう感じただけかもしれないけれど。
悲しかった。
ショックだった。
涙が出そうだった。

アンナは切り株に駆け寄り、まだ真新しい切り口をなでながらうつむいた。

「なんで切っちゃったの…?」

彼女は誰にともなく言った。

ふたつの切り株をなでると、彼女は境内に走っていった。
そして、お気に入りの木の下にうずくまり、木の幹をずっとなでていた。
泣いているようだった。
その木は彼女が友達みたいに仲良くしている木だった。

ねぇ、キミは木や草や花と話ができることを、ママは知ってるよ。
言葉で話すんじゃなく、心で通じ合うんだ。
切り倒されてなくなった桜の木も、キミの大切な友達だったね。

大好きな木のために涙を流せる、そんなアンナがママは大好き。
アンナの心、いなくなった桜の木にも伝わってるよ。
さびしがってくれてありがとう、って、きっと喜んでる。
ありがとう、さよなら、って、きっと言ってる。

なんて素敵な子。
あなたの輝きが私を照らすよ。


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