おひさまの日記
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アンナと散歩に行った。 いつものお寺に寄る。
足を踏み入れて、私達は言葉を失った。
そこにあった立派な2本の桜の木がなくなっていたのだ。 無惨な切り株が、切り倒されたであろう老木の名残りとしてそこにあった。 心ない切り方に見えた。 雑に切り倒したであろうことが切り口から伺えた。 いや、私が勝手にそう感じただけかもしれないけれど。 悲しかった。 ショックだった。 涙が出そうだった。
アンナは切り株に駆け寄り、まだ真新しい切り口をなでながらうつむいた。
「なんで切っちゃったの…?」
彼女は誰にともなく言った。
ふたつの切り株をなでると、彼女は境内に走っていった。 そして、お気に入りの木の下にうずくまり、木の幹をずっとなでていた。 泣いているようだった。 その木は彼女が友達みたいに仲良くしている木だった。
ねぇ、キミは木や草や花と話ができることを、ママは知ってるよ。 言葉で話すんじゃなく、心で通じ合うんだ。 切り倒されてなくなった桜の木も、キミの大切な友達だったね。
大好きな木のために涙を流せる、そんなアンナがママは大好き。 アンナの心、いなくなった桜の木にも伝わってるよ。 さびしがってくれてありがとう、って、きっと喜んでる。 ありがとう、さよなら、って、きっと言ってる。
なんて素敵な子。 あなたの輝きが私を照らすよ。
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