おひさまの日記
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2005年10月25日(火) 慣れることの恐ろしさ

最近、久しぶりに会う人や電話で話す人に、よく言われることがある。

「鼻声だねー」

そう、私は9月の半ば頃からずっと鼻声らしい。

らしい、と言うのも、
かれこれ1ヶ月くらいずっと鼻声なので、
自分ではこれが地声なような気がしてしまい、
もうわからなくなっている。

慣れだね。

慣れとは恐ろしい。
まぁ、鼻声に慣れるくらいならそんなに支障はないと思うけれど、
事と次第によっては問題もある。




私のある知り合いが消費者金融で借金してたんだけど、
返済できずに、新しく借り入れたお金で返済し、
またその返済と生活費のために、
翌月さらに借り入れるようなことを長い間していた。
確実に借入金額はふくらみ、
でも当の本人は特に手だてを考える風でもなく、
ただ仕方ないからと毎月借り入れを続け、
その状態にも慣れてしまい、
自分が借金をしているという感覚がなくなっていたようにも見えた。
いや、なくなっていたと言うか、
現実を直視したくなくて、考えないようにしていたのかもしれない。
慣れ、と言うか、麻痺、と言うか。

たまたま彼女とカラオケいに行くことになった時、彼女が言った。

「ちょっと待って」

そして、私を助手席に乗せて彼女が向かったのは、某消費者金融の無人借り入れ機。
そして、中に入って出てくると、諭吉を1枚ひらひらさせながら、

「マイバンクでお金おろしてきた」

と言った。

私はびっくらこいた。

「マイバンク!?
 町金で借りたんじゃん」

「え?でも、借りてもちゃんと返してるから平気」

彼女はそのしばらく後、借金が原因で離婚し、自己破産した。




よくない状態の中にい続けると、
最初は、それにすごく苦しんで悩んだり、どうにかしようとあがいたりするけれど、
それが長く続いていくと、その状態が自分の当たり前の状態になり、危機感が薄れてゆく。
よくないのはわかるけど、なんとなく、ま、これでいっかな、今は、って気持ちになる。
そのうちなんとかなるかな、みたいな。

私の風邪もそうだ。
引き始めの頃は、タバコを控えたり、加湿器を使ったり、
食べ物に気を配ったり、睡眠を取るようにしたり、
治るための努力をしていた。

でも、いい加減、風邪が長引くと、
いつの間にかそれが当たり前の状態になり、
風邪をひいているという状態に慣れてしまった。
そして、風邪に対する危機感やケアをしようという気持ちがなくなった。
普段の生活に戻り、不摂生もする。
なもんで、風邪も余計に長引く。
そんな悪循環の中にいる。

慣れとは本当に恐ろしい。
感じるべきことが感じられなくなる。
そして、感じられなくなることによって、今すべきことを見失う。
時にはそれが重大な問題へと発展していく。

そんなことを考えながら、
今私が慣れの中で見失っている大切なことはどんなことだろうと、
想いを馳せてみることにした。
当たり前に思っているけれど、実は本当にありがたいものに感謝する気持ちとか、
自分の問題に対して麻痺してしまっている部分とか、
麻痺することによって何かから逃げようとしている部分とか、
色々、色々、そんなものに。


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