おひさまの日記
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最近、ことある度に、同じ感覚が訪れる。 そんな時、心を閉ざしたくなり、誰も信じたくなくなる。 私は無表情になり、無気力になり、ただ丸太みたいにベッドに転がる。 頑に誰も受け入れられなくなる。
けれど、目からは涙がぽろぽろと流れ落ちている。 心を閉ざし、でも、痛みだけはそこにある、そんな感覚。
今日もほんのちょっとしたことがスイッチになり、 私のそんな感覚が疼き始めた。 重く鈍く胸が痛い。 私は約束の時間の前に目覚ましをセットすると、 お決まりでベッドにもぐり込んだ。
天井をぼーっと見ているうちに、自然に言葉がこぼれた。
「うさんくせぇ」
そう、誰も彼もうさんくさい。 信じられない。
「誰も私をわかる人なんていない。 もう近づかない。 心を見せない。 誰もいらない」
私の中でその言葉がぐるぐる回る。 その言葉が繰り返される度、涙がいっそう激しく流れ落ちる。
そんな中、そんな自分を遠くから冷静に見ている自分が思った。 人に傷ついて、心を開くことがそんなにもこわくなってしまったのか、と。 それほどまでのことがあったのか、と。
今日もそうやっているうちに、私はいつの間にか眠ってしまった。
夢を見た。
ある人と話した。 その人が言った。
「つらそうだね…」
「はい、つらいです」
「古い傷が出てきてるからねぇ…」
その人は静かにしみじみと言った。 私は、その人の言葉と、私をいたわるようなその表情に、 心癒されていった。
「そうですね」
そう、そうだよね、古い傷が出てきてるんだ。 今、癒されようと、古い傷が出てきてるんだ。 だからこんなにつらいんだ。
私はひどく咳き込み始めた。 もちろん現実の私が、だ。 夢を見ているんだけど、咳き込むことでうっすら目が覚め現実に帰る自分もいて、 その夢を、夢と現実の狭間で見ていた。
どこかではわかっていたことを、その人の言葉で再確認し、 そして、その人の慈愛に満ちた口調と表情、その存在によって、 ひとりではなく見守られているのだという感覚を覚え、 深い安堵の中にいた。
私はそこで目が覚めた。
まだ咳は激しく出ていた。 抵抗してるんだね。
目覚めた私は、眠る前の私とはまったく違って、 救われたような、はればれとした気持ちだった。 もう誰もいらないなんて思わなかった。 幸せな気持ちだった。
また夢で救われた。 なんだか不思議な体験だった。
自分で言うのもヘンだけど、 私、本当に見えない存在にサポートされてるんだと思った。 そして、それは私だけじゃなく、すべての人がそうなんだと思った。
私はまたひとつ大きな心の傷に出会おうとしているのだろう。 あの9月のセッションで「思い出さないで」と私に懇願した自分なのだろうか。 恐らく難産になるんじゃないかな。 陣痛がもうずいぶん長い。 でも、それでもいい、待ってるよ。
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