おひさまの日記
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2005年09月21日(水) ただここにこうして生きているということ

小学校からお知らせが来た。

そこには、最近、この近隣で、
不審者による子供へのつきまといや、
腕つかみ、つまり連れ去りの未遂が続いているというのだ。

子供をひとりで歩かせないことや、
ひとりの留守番の時は必ず内側から施錠することや、
どこかに出かける時は必ず行き先と戻る時間を言うことや、
万一なにかあった時は防犯ブザーを鳴らしたり、
大声を出して助けを求めたり、近所の民家に逃げ込むこと、
そのような注意事項が書かれていた。

読んでゾッとした。
ニュースで見てきた数々の悲惨な事件が甦る。
子を持つ親なら誰でも不安になるだろう。

そして、思った。

私はよく今日まで何もなく事件にも巻き込まれず無事に生きてきたな、と。
それだけでも本当にありがたいと思った。
こうして普通の毎日を送れることが奇跡のようにさえ思えた。

ただここにこうして生きていること、
それはあたりまえで特別な何かがない限り無意味なのではないのだ。
ただここにこうして生きていること、
それはそれだけで本当に素晴らしいことなのだ。

私はトラウマをいっぱい抱えていた。
つらくてつらくて死にたいと思ったこともあった。
けれど、今こうして生きている自分を思う時、
それだけでなんとありがたいことかと思った。

私も昔は子供だった。
そんな私が成長し無事大人になったこと自体が幸せだと思った。
そして親孝行だとも思った。

自分が親になって思う。
子供はただ元気に生きてさえいてくれればいいと。
それ以外何もいらない。

生きている、それだけでも人は貴い。
生きることを放棄したい時もあったし、
苦しいことばかりの人生に価値も光も見出せないこともあったけれど、
紆余曲折の人生を経て今の自分になって思う。
ただここにこうして生きている、なんと素晴らしいことだろう。
私はなんと恵まれているのだろう。

そして、今日まで無事に生きてきてくれた我が子に、
よく生きてきてくれたねって伝えたい気持ちでいっぱいになる。
ありがとうって。

当たり前のことほど、実は計り知れない恩恵なのだ。


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