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2005年02月23日(水) 「オペラ座の怪人」と「ボーン・スプレマシー」

今日は「オペラ座の怪人」と「ボーン・スプレマシー」を見てきました。オペラ座はたくさんのファンがいる古典的名作で、ボーンも私が見ていない前作がある、ということで、どちらも私には手におえないところがありますが、にわかファンとしての感想です。

ネタバレを含むので、未見で楽しみにしている方は読まないことをオススメします。


先に見たのはオペラ座でした。はまってる友人に色々と情報も得ていたので見やすかったのですが、すごく面白かったです〜。ヒロインの歌が素晴らしい。目を閉じていても感動できるほどでした。戸田奈津子女史が相変わらず誤訳や妙な意訳をしているということで、なるべく字幕を見ないようにしましたが、さすがに歌になると私の英語力ではわからないところもあり、字幕に頼りました。
クライマックスのシーンで、クリスティーヌが「あなたは一人じゃない」と言ってファントムに口付けするシーンは、美しくて涙、涙でした。この時のyou are not aloneが戸田訳では「あなたに惹かれていた」になっていて、議論を呼んでいますね。
私個人は「あなたに惹かれていた」という表現も、見方によっては何かを感じないわけではない、とは思いました。でも確かにここで彼女が伝えたかったのは男としてのファントムへの恋愛感情ではなくて、一人の人間への人間としての憐れみに近い愛ですよね。
こうした分野は古くからファンがいるので、過去に二度くらい「オペラ座の怪人」を見てるのに、内容を覚えていなかったような私の意見は、絶対浅いだろうとは思うのですが、感じたことを少し。

何度か見に行きたい魅力に溢れているし、キャスティングなども絶妙だなと思ったのですが、期待していたほど映像に圧倒されることはなかったかな。もっと言えば、画もよく作られているし不満はないのですが、歌に圧倒される上に、映像が平凡だなと思いました。
「ムーラン・ルージュ」は斬新な映像美で、ユアン・マクレガーとニコール・キッドマンの歌(悪くなかったけれどオペラではなかった)をカバーしていた、という印象がありますが、「オペラ座の怪人」でももっと独創的な映像を見たかった、という風に感じたのは私だけでしょうか。うーんでも私は舞台をほとんど見に行かないので、見方がちょっと違うのかな。
 それと、これはオペラファンへのサービスではあるのですが、最初にクリスティーヌやファントムの歌声を聴いた時は、鳥肌が立つほど痺れましたが、ずっと歌い続けるものだから、そのありがたみが途中で失せてしまってる気もしました(オペラファンならそうは感じないかもしれません)。

つまり、もっと映画ならではの「オペラ座の怪人」を見たかったという気がします。そのためには歌っていない時の演出が、より細やかに、息遣いさえリアルに感じられるとよかったのではないでしょうか。舞台を離れれば、クリスティーヌやラウルが「劇中」にいて与えられた役を演じているのではなく、よりリアルに、生身の人間として感じられる作りになっていれば、もっと胸打たれたかな、と思います。クリスティーヌの父が眠る墓場も「舞台装置」に見えるのは、狙いなのかもしれませんが、私は冬の夜の墓場のリアルな空気を感じたかったです。


コリンと縁の深いという以前に、ジョエル・シューマカー監督は「フォーリング・ダウン」や「8mm」、バッドマンシリーズを撮った人として、個人的にとても好きな監督なのですが、色んなテイストに挑戦する人ですよね。バットマンシリーズは失敗作と言われていますが、クリス・オドネルとヴァル・キルマー&ジョージ・クルーニーで、当時は随分萌えさせていただきました。「8mm」は萌映画としては確実に上位ランクインですよねー……なんか話が変な方にいってるな。オペラ座を見て改めて思ったけど、監督の独自色というものを感じられない幅広い作品作りは、凄いと思います。作品同士は、ちっとも共通点がないなあ。「タイガーランド」と「8mm」からは、わずかに同じ匂いを感じるでしょうか。でも、インディペンデント的ですがリアルに感じる「8mm」や「タイガー・ランド」、「フォーン・ブース」、「フォーリング・ダウン」などの小さな傑作群と、「バットマン」シリーズや「オペラ座の怪人」のような規模が大きく(少なくともそう感じられる)華やかな映画の二つに分かれるかもしれませんね。
私は「オペラ座の怪人」は好きだし、いい映画だと思いますが、シューマカー監督には小さな傑作を撮って欲しい、と思いました。この映画のファンは、彼でよかったと思うかもしれませんが、私個人は、同じキャストで、もっと相応しい監督がいたんじゃないかと、思ったりもしました。

「ボーン・スプレマシー」は、カールが想像より4割増しくらいカッコよかった! しかし! 映画自体は私は駄目でした。私は前作「ボーン・アイデンティティ」を見ていないので、この映画の感想を書く下地がないと思います。観ていて、どこからどこまでが前作で暴かれている秘密なのか、どこからがこの続編において提示された謎なのか、まるでわかりませんでした。そしてそんな状態では、冒頭の15分くらいの橋から落下した車の中で、ガールフレンド(前作から登場するのでしょう)を必死に助けようとするボーン、またラストで自分が殺した人間の娘に会いに行くボーン、という以外は、まるで人間味を感じられない彼の逃亡劇に、なんら共感することが出来ませんでした。彼自身に共感できない状態では、彼の過去を知りたいという気持ちにはなれなかった。確かにこれは前作を見ていない私に半分責任があります。
パメラ・ランディという女性捜査官は魅力的でしたが、カール以外の悪役も実に安っぽい。
無駄の削ぎ落とされた身の詰まった映画だし、完成度はそれなりに高いと思いますが、面白くはなかった。アクション以外で、はっとさせられる瞬間は、ラストで「デイヴィッド」の名前が出てきた時だけでした(笑)。

それよりも何よりも、観ていてうんざりきたのはあのカメラぶれです。「アレキサンダー」にもそういう演出がありますが、私は手持ちやカメラがぶれる映像は好きなんですが、この映画は、女性捜査官がオフィスのデスクに座って考えていようと、ラストで女の子にボーンが秘密を打ち明けていようと、どこで何をしていようとカメラが据えられてることがない。編集の技術は実に高く、観客を飽きさせないために瞬く間にカットが入れ替わりますが、じっと腰を据えさせて見せる映像も必要です。同じようなテイストの「コラテラル」はその点ちゃんと出来ていましたよね。思いつめた主人公の表情をじっくり見せる大事なシーンで、観客が飽きるということはないです。
モスクワでのラストのカーチェイスは見事でした。編集もさることながら、現場での撮影がプロフェッショナリズムに溢れた危険と困難に満ちたものだったことは想像できます。細かいカットを巧みに繋いで、その凄さを伝えてくれますが、観る人の動体視力の限界に挑むようなシーンは、それこそアクションシーンだけで充分です。
駄作ではないし、人によっては面白い映画だと思います。
ただ、この映画の魅力が、てきぱきと無慈悲な感じに進行する、切れ味の良さにあることはわかるけれど、静と動のメリハリがついてるべきでした。

ところでカールは、本当にかっこいいですね! こんないい男だったなんて……ハァハァ。なんか生意気な発言ですけど、出番が少ないわりに演技も板についてて、おおっと思いました。しかしやっぱりアメリカ人にとってのロシア人のイメージは、いまだにああいう感じですね。私もロシアや東欧には、ああいうダークなものを期待してしまいますけど!
そして、途中で登場した男が、歯で自分に手錠をかける姿を見て、この人ワイルドでセクシーでカッコいいなあハァハァ、なんて身悶えてたら、よく見たら、あんたマートンかい! やっぱりカッコいいですね〜。
友人やサイトの掲示板などでもそれとなく聞いてはいましたが、ラストの「実はデイヴィッドでしたv」には一人で笑ってました。この映画の一番の種明かしだよ! 
見終わった、やっと帰れるぞ、とか思ったら、エンディングで流れ出したのはMOBYの音楽! やっぱり一番好きだと思う音楽! しかも、ずっと前の日記にも書きましたし、「狼」連載時もMP3にリンクを貼りましたが、私にとって「狼」のテーマはMOBYなんですよー。これには参った。こんなにかぶっていいんですか! というわけで、最後までシートに座っていることになりました。

久しぶりに映画の感想を書きました。トレイラーで「コーラス」を見ましたが、よさそうですね。世間で酷評されている「アレキサンダー」をベタ褒めしておいて、人気のある他の映画に不満を言ってる私は、映画を見る眼が本当にないんじゃないか、と心配になってきました(笑)。









コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




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