アレクサンダートレイラー、あれから50回くらいはゆうに見ています。 個人的な感想を細かく書いていくことにします。 最初に、砂嵐の中、夜の行軍を続ける軍隊の姿が映りますが、 なんと誌的で、古代へのロマンを掻き立てることか! 映画の中では 緊張感、疲労感に満ちたシーンかと思いますが、全体に漲る芸術点の高さ に感動しました。 プトレマイオスの台詞の「我が人生において、偉大な者は大勢知っているが、 巨人(コロッサス)はただひとり」 という台詞には、プトレミーに託したファンの思いがしっかり凝縮されて おりました。 ところで、これは前から書こうと思っていたことですが、 安彦良和先生の大王漫画と、あまりにたくさん共通点があって、 オリバー・ストーンは安彦漫画を読んだのでは、と思ってしまうほど。 大王のライオンの頭部をモチーフにした兜などは、出土しているのかも しれませんが、そっくりです。もちろん、ライオンの頭部を模した、 というとデザインは限られてくるわけではありますが。 それとフィリッポス二世、これがびっくりするくらい似てます。 ますますオリバー・ストーンに疑いの眼を向けてしまう(笑)。 安彦漫画ではリュシマコスに、今回の映画のプトレマイオスのような 立場を取らせていますが、「あの人は特別だった」という回想の空気も 似ていますー。 映画が安彦漫画に影響を受けたという冗談はおいておいても、こうしてみると、 完璧とはいえないまでも、安彦先生が、あのような限られたページ数の 中であれほどうまく大王の人生を描いたということは、もっと大勢の人に 知られてしかるべきと思ってしまいます。 それとオリバー・ストーンは間違いなくメアリー・ルノーを読んで います。 トレイラーの感想に戻ると、芸術点の高さはもちろんですが、 役者の演技がまっことすばらしい。コリンの演技がすごいことは 言うまでもありませんが、バル・キルマーが地味に凄い。凄い迫力だし、 恐ろしい男という以上に、賢い王という雰囲気が醸し出されていて、 玄人好きしそうです。単純な製作者であれば、ダレイオスやフィリッポス王 をアレクサンダーよりも偉大ではない、という風に描いてしまうかと 思います。けれど、実際はアレクサンダーの地盤を築き上げたのは 父王であり、このフィリッポス二世が、もしもアレクサンダーが この世に生まれていなければ、古代ギリシアにおける最も偉大な王として名を 残したことは間違いありません。ただし、息子と違い、フィリッポスの 征服はペルシアにとどまっていただろうといわれているので、息子ほど ではないと思いますが。 矢が雨のように降るシーンは、「ヒーロー」でも有名になりましたけど、 もっと前はブレイブハートとグラディエイターにもあり、近年の流行ですね! 中世までの白兵戦においては、ありふれた光景だったのかも。とにかく、 映画に花を添える演出だということは間違いない! 私も好きです。 ゼウスの化身である鷲が飛び、ヘファイスティオンの声で 「もし世界の果てに到達したら、あなたは何を?」 と尋ねるシーン。好きだあ〜。前、私はこれを大王の声で、 ヘファイスティオンに尋ねていると書いてしまったかと思いますが、 よく聞くとジャレッドの声でした。 ヒンデュークシュの山頂からオケアノスを眺めようとする大王。 「……みえない……」といういじけっぷりがかわいすぎ! アリストテレスは月食を見て地球が丸いことを知っていましたが、 大陸の果てはインドのインダス川の向こうっ側あたりにあって、 そこからはもう海! 中国もアメリカ大陸も、そんなもん知らない! と思っていたようです。 大王は、世界の果てまで行って全部征服するとほざいていたので、 ヒンドゥークシュの頂上から見た光景には、さぞがっかりしたことでしょう。 いくつか身震いしてしまったシーンがありますが、そのうちのひとつが、 アリストテレスが若きアレクサンダー(&たぶんヘファイスティオン)に 「そのプライドを、神は罰する術をお持ちだぞ」と言っているシーンです。 子どもながらに傲慢で鋭い王子に対する、決して子どもが好きではない(笑) 偉大な哲学者アリストテレスの、呆れるような、畏れるような表情。 考えてみると、アリストテレスの教えは、大王に美徳や利益を齎しこそ すれ、彼が唱えた排外的な「ギリシア人以外はどーでもいい」という マズい哲学は、ちゃんと退けた優等生な大王です。 アレクサンダーはもっと実利主義的でした。 パルメニオンと思われる人物ですが、唯一彼だけはちょっと私の想像とは 違いました。もう少し寡黙で、賢明な重臣というイメージです。 パルメニオンは、間違いなく大王よりもはるかにできた人間だし、 筋が通っているので、同情的に書かれることが多いようです。 パルメニオンの後で、コリン大王が凄い形相で叫ぶシーン! このキ○ガイっぷりを見て、ほっとしました。その背後にいるのは、 フィロタスで、M&Cのウォーリーですが、次のシーンで大王を糾弾するような 姿で登場し、期待が高鳴ります。 パウサニアスらしき人物を追っていく大王の映像と、大興奮な大王 の突撃シーン。コリンってほんとにすげーや! カサンドロスなジョナサンが、期待を裏切らない雌猫っぷりのようです。 大王とカサンドロスの関係も、萌えれそうだ〜。 そして、やっと、やっと、出てきた動いて喋ってるヘファイスティオン。 たぶん、パウサニアスをはずみで殺してしまった王子アレクサンダーを、 即座に王に擁立するというシーンです。と、私は勝手なことを 平気で書いています(笑)。まったく違う可能性も。 ジャレヘパ、い い ! しかしうつくしージャレよりも、持ち上げられる ままに腕を上げるコリン大王の、なんともいえない表情。 野心にすら満ちていない。ただし、このままのっかっていこう、 それしか生き残る道はない、という感じです。 ペルディッカスっぽい男が出てきますが、もし彼がペルディッカスなら、 平伏します。ペルディッカスは大王死後、けっこう抜け目のない 奴ですが、その雰囲気が満ちています。前に出てきた、フィロタスの肩を 叩く武将と同じでしょうか。 レオニダスの戦術のアドバイスシーン、 「戦の第一原則は、あなたが自分の部下たちにやれと命じたことを 自らやることです」というのは、アレクサンダーという人物像に 迫るものがあります。大王を美化する時、必ず出てくるのは、 彼が率先して危地に踏み込み、時には疲れた者を王自らが助け起こした、 という逸話です。裏を返すと死を恐れぬ向こう見ずさが、武将たち をハラハラさせていた、ということです。 このすばらしートレイラーで、ファンの心を鷲掴みにした一番のシーンは、 アレクサンダーがヘファイスティオンに制止されながら、 深く傷ついた表情で(おそらくクレイトスを)非難しているシーンです。 昨日の訳はviolent enemyになってましたが、よく聞くとfinestでした。 「誰も、私の最大の敵でさえ、この私にお前のような口を利くものか!」 大王の崩壊がはじまっています。ヘファイスティオンは大王を掴み、 大王も彼を掴んでいる手元に注目(笑)! このシーンを見て思ったんですが、これがトロイに欠けていたそのものでは ないでしょうか。欠けていたというより、私が勝手に期待していた、という 方が正しいかも。 そして大王の手元の下に隻眼のアンティゴノスが潜伏していることには もっと注目。この後、大王の手が顔にびしっとあたると尚最高。 しかし、アンティゴノスは史実とされているものにおいては、この時点では もういないはず。なので、亡霊ってことでやっぱ一番注目。 コリン・ファレルの文字の直前のアレクサンダーには、死相が浮かんでいます。 髪もそうとう長いので、遠征後かもしれません。ヘファイスティオン死後かも。 文字直後は裸でセクシーな大王ショット。バゴアスとのシーンか、 ヘファイスティオンとのシーンだったらいいなあ。 次の腕を伸ばしてるシーンは、毒殺説でいくならちょうどめまいを起こした シーンじゃなかろーか。 アレクサンダーの泣きシーンは、髪も短いし、ガウガメラあたりか。 希望としては、ヘファイスティオンが死んだと思うシーンとかだと嬉しいなあ。 この泣き顔、コリンはオスカー男優賞、トム・クルーズを退けて獲るかも しれませんよ。獲って欲しいな。 次の結婚式かなんかで何かを持ち上げてる地面からのショットなんですが、 おい! 右の野郎の玉の膨らみがばっちり見えんぞ! オリュンピアスは呪ってますが、映画ではフィリッポスにレイプされる そうですよ。これは、有名な大王小説のひとつに書かれたエピソードらしい のですが、映画では、大王はこの結果生まれるという設定になるのかも。 私には判別できませんでしたが、プトレマイオスが弓を構えているらいし のですが、だとしたらかっこいい。 大王の側近で、プトレマイオスほどノン毛な男はいないと 思っていたのですが(というか唯一だ)、この調子だと、スラッシュで どんな目に遭うか……。 バル・キルマー、オスカーの助演男優賞とってもおかしくない! とかいいながらすっ飛ばしてラストの問題の叫び声に。 タイトルロゴと同時に、「あなたは永遠に語り継がれるでしょう!」 という声がエコーかかって入ります。 ファンの予想(というより希望)はふたつに分かれています。 ヘファイスティオンによる、大王への叫び、という説。 大王による、死んだヘファイスティオンへの叫び、という説。 声質はジャレッドに似ていますし、この映画の流れからして、 大王がヘファに対してこんな台詞を言うとは思えません。 実際の大王が、英雄としてヘファを祀ろうとした逸話は残っていますが。 あえてどちらでもない説を立ててみると、もしかすると、 兵士たちに向けた、大王の熱のこもった演説に一説かもしれない、 とも思います。誇大妄想癖のある大王が、思わずぶった挙句に自分は 永遠に語り継がれる、と言ってしまったとか、あるいは兵士たちに、 「私について来い! そうすればお前たちは、永遠に語り継がれるだろう!」 と言ったとか、かもしれません。 ともかく、全編を通して物凄い力んだシャウンティングが多いので(笑)、 それぞれの迫真の演技が見れそう。カッサンダーだけは冷めてそうだけど。 たった二分のトレイラーの感想、長いよ! ところで、こんな記事を教えていただきましたー。 http://msnbc.msn.com/id/6134129 内容は、アレクサンダーが公開延期になったのは、ゲイシーンが 多すぎるためであり、男と男の熱烈なセックスシーンをカット しろと、配給側が要求しているそうですが、 オリバーは必要だと主張してるそうです。 ここまでくるとほんとむかつくよ! ロクサネとのラブシーンは よくて、なんでバゴアスとは駄目なんだ。ロビン・レイン・フォックス が言っているように、「大王がバゴアスに求めているのは純粋な肉欲で、 ヘファイスティオンには(セックスもだけど)、もっと精神的な ものを求めている」わけだから、バゴアスとのセックスシーンをカット されるということは、この違いの強調が削がれることです。 この映画のテーマとまでは言わないまでも、アレヘファあってこその 大王映画なので、これは重大な決定になりえます。 どうせベッドで大王がピストンしてる程度のシーンなのでしょう。 たかが三秒のラブシーンで紛糾するほど、世界は未熟だというのか。 どうせR指定なんだからいいじゃん! 腐女子としてメンズならぶしーんを見たいという以上に、 アレクサンダーとヘファイスティオンの関係に感動したいからこそ、 バゴアスとのラブシーンを入れて欲しいです。
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