diary/column “mayuge の視点
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富士山単独登頂記 PART3「お鉢巡り」

【7:40】 「極」

 胸突八丁でラストスパート!とはいかなかったが、少しずつ足を進め、ぜぇぜぇはぁはぁ、とうとう辿り着いた。

 えっ、ここが山頂なの?って感じだったが、間違いなく平らな場所だ。地面が平らだとこうも歩きやすいものかと、改めて思う。ここが山頂をであることを示す石塔を見つけ、実感が湧いてくる。


マジ、感動ッス。

 やりました。思いつきだったものの、目標を独力でクリアした達成感が身をつつむ……。でも寒みー。気温8.3度。

 その石塔のまわりでは、歓喜の声を上げるパーティーがそこここに。みんなして一大記念撮影ブームだ。一人で感慨にふけるマユゲも声を掛けられる。

 「すいませーん。シャッター押してもらっていいですか? ここ押すだけですんで」
 あー、もちろん、いーですよー。
 「ありがとうございます!!こっちも撮りましょうか?」
 ん? そだな。「いースか?」。頼んじゃお。



マユゲも「オノボリサン」状態

 同じ目標を達成したもの同士の一体感みたいなものが、そこにはあった。


しばし荘厳な光景に浸る……。

 荷物を整理すると、気圧差のせいでパンパンに張った食べ物が。


あとで食べよっと。

 山頂にはこれまた山小屋が建ち並んでいるのだが、きわめて物価が高い。ジュースなんて400円だよ。


夏でもホットがあります

 さてちょっと歩いてみよう。富士山頂というのは、ちょうどお茶碗をひっくり返したような状態になっていて、真ん中の窪みがちょうど火口に当たる。その周りの「へり」のなかでもっとも標高が高いところが「剣ヶ峰」といって、そこに測候所がある。マユゲが登ってきた須走ルートの頂上は、剣ヶ峰のちょうど反対側。ここまできたら、日本最高峰に行ってみたくなるよね。


こんなふーになってるのだ

 この形状から、富士山頂の火口の周りを回ることを「お鉢巡り」というらしい。

 さっそくマユゲも時計周りにお鉢巡りを開始する。


あれが剣ヶ峰か……


火口はグロテスクな口を開けている

 しばらく行くとまたもや汗が冷え始め、富士宮口山頂の山小屋にて少々休憩をとることにする。持ってきた最後のTシャツに着替え、ウィダーinゼリーとブロック状の携帯食を摂り、剣ヶ峰を目指す態勢を整える。

 山小屋には公衆電話もあったが、ここ富士宮口山頂にはNTTがあって、なんとドコモのケータイは山頂でも通じる。剣ヶ峰登頂を前に、この感動を伝えたくて、思わずある人にケータイで電話してしまった。まだ朝っぱらのなので、相手は電話に出る訳もなく、留守電に、ひとり舞い上がったメッセージを残す。

 よし、気合十分、次は日本最高峰だ!

【9:00】 剣ヶ峰

 これまたそこへの道のりには急勾配が待っていた。またしてもハァハァ言いながら最後の登りを進む。そして、着いた。ここが本当の山頂だ。


日本最高峰の碑


3775.63mか。3776mって四捨五入なのね。


剣ヶ峰に着いたらたちまち快晴に

 とにかく気持ちいい。

 おてんとうさまのパワーはやはりすごいもので、気がつけば気温は13度まで上昇している。あったかいよー。サイコーだよー。みんな下界で頑張ってるかー?

 充実感を満喫したところで、9時15分剣ヶ峰を後にし、須走下山口へと向かう。結局、お鉢巡りは休憩を含め約1時間15分の行程だった。

【9:40】 下山

 気持ちいい気候の中、ふもとへ向けての新たなスタート。ふと携帯を見ると、時間は9時40分、そして何と……、



ドッチーモのアンテナはバッチリ三本立ってる!

 イエーイ、こんどは登りはなくて、チョー気が楽。

(つづく)

2000年07月18日(火)

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