diary/column “mayuge の視点
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富士山単独登頂記 PART4「下山」

【9:40】 急降下

 往路とは打って変わって明るい下山道をガシガシと進む。歩くというより走って降りるという感じ。耳ツーン状態になるくらいの急降下。5時間以上かけて登ったんだかそりゃら結構あるよな。

 下界には微かに駐車場も見える。あそこまで降りるんか。でも気は楽だねー、下りは。


中央に見える白いとこが駐車場

 しかし下りには下りなりの難点もある。登りから少し痛み出していた左ひざへの負担が相当なものとなっているのだ。

【10:20】 復路 七合目

 往路、あの強風吹きすさぶ中、登ろかどしよか思案した「太陽館」がある七合目だよ。あんなに寒くて、薄暗かったのに、今やド快晴。往きは気付かなかったけど、ここには富士の荒々しい一面が覗く。


吹出した溶岩がそのまま固まった様子。

 こんなにおとなしくてドンと構えたフジさんも、昔はブイブイ言わせて、噴火したんだねー。

【10:25】 仙人たちの宴

 七合目を過ぎると、下山道の端っこでBBQをしているグループに遭遇。おー、いーねー。気持ちよさそやね。
すいませーーん、写真撮ってもいいですかー?


雲の上のBBQ

 「???」。雲の上での宴を楽しむ仙人たちは、写真を撮られて不思議顔。

【10:30】 砂走り

 仙人のBBQポイントを過ぎると、「砂走り」の始まり。「砂走り」とは、火山砂が堆積した直線の急斜面で、踏み出す足が細かい砂れきのおかげで先に進み、着地のショックも少なく、大股で走りながら下れる下山道のこと。なんと一歩で1m以上も高度を下げられるんです。ズボっと着地するとズルズルっと滑り、また次の足を大きく前に突っ込むとまたまたズルズル。なんかムーンウォークしてるみたい。

 しかもマユゲの場合、大学時代に叩き込まれた「フォーム・ランニング」という走るフォームの練習が身に染みついているだけに、ひじを直角に曲げ大きく腕を振って降りるもんだから、抜き去っていく人たちに奇異の目で見られる。

 でも驚くほどドンドン進めて実に気持ちいい。ふと足を止め、上を見ると……、



下を見ると……、



こんな感じなわけです。

【11:10】 帰還

 再び五合目に到着。夜にはなかった(見えなかった)出店がずらり。「お帰りなさい!」。茶屋から下山客へ、一杯のお茶がサービスされる。ちめてー。でも、うめー!

 ああー、戻ってきたぜー。山頂を後にしたのが9:40だから、下山の行程は時間にして……1時間30分か、ふーん。って何ぃー!?  1時間30分だぁ? 登りは5時間以上かかったんだぜ!? ホントに同じ五合目なの、ここ?

 間違いない、この看板は見覚えがあるもんな(登山開始直前に見た案内図も、おどろおどろしくなく読める)。


よう行って帰ってきたわ。

 早く短パン&サンダルになりたいマユゲ、お土産に目もくれず登山口を後にし、kee坊が待つ駐車場へ。駐車場への登り坂からは、今、登ってきたばかりの霊峰が見える。

 しかし、雲でてっぺんは見えず。そう簡単に全部は見せてやんない。フジさんは、そう言っているかのようだった……。



【エピローグ】

 マユゲ改造計画「myg21プロジェクト」の一環でトライした今回の挑戦は成功をみた。ひとりで登ることはある意味危険もあるかと思うが、自分のペースで登ることができるし、何よりも自分との闘いにもなるし、やりがいがあったと思う。このプロジェクトにはまだまだ大変な計画が待っている。たとえ歩幅20cmでも、一歩一歩進もう。

P.S. これを読んでその気になったクレイジーちゃんがいたら、挑戦してみては?

2000年07月19日(水)

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