堀井On-Line



7318,閑話小題 〜『すばらしき世界』 

2021年03月07日(日)

    * 映画・感想
             ―すばらしき世界―
 佐木隆三の「身分帳」をベースに現代に置き換えて物語を構築してある物語。
暗い内容のようで、少し躊躇ったが、然程、暗くはない内容。85点か!
10年前に倒産、会社整理を経験した身で、一種の社会的マイナーを背負って10年
経過した。要するに、マイナーを背負って生きる身分は前科者と同じ。問題は、
受止め方次第。「三月に一度は、何とも陰湿な嫌がらせ、罵倒はあるもの」と
覚悟していたが、思った通りである。ウダツが上がらない人生の人ほど、自らの
傷口の膿を他者に塗りたがる。その人の生きてきた通りの嫌がらせの筋書きの
面白さは何ものにも変えられない味わいがある。何時の間にかツラの皮が厚く
なってしまった。育ちの良し悪しが、その人の宿命として、コビリ付いている。
マイナスの牡蠣を舟底にビッシリ貼りつけて、彷徨う人たちの膿ほど、悪臭が
強いもの。
   =映画サイトのレビューより=
≪ 主人公三上(役所広司)は人生の大半を刑務所で過ごしてきた元殺人犯で、
 身元引受人の弁護士夫婦(橋爪功、梶芽衣子)の庇護の下、再出発を図ろうと
するが、世間の目は冷酷で、様ざまな局面で、三上は疎外感を味わう。正義感が
滅法強く、一本気で直情型なのに、ひとたび激高すると手の付けられない凶暴さ
を見せる。この得体のしれない怪物的なキャラクターを役所広司は見事に演じる。≫

≪:六角 僕は映画『復讐するは我にあり』も大好きだったし、なぜか裁判の
 冒頭陳述を読むのが好きなんですよ。『身分帳』も興味で読んだのですが、
たしかに平凡な日常の話ですよね。 主人公は殺人を犯しているんですが、
殺人者の話というより、普通の中年男の生活をそのまま描いたようなイメージ。
佐木さんは犯罪小説をたくさん書いていますが、こういう切り口はなかった。
犯罪小説の中では異色だなと思った覚えがあります。
──佐木さんが『身分帳』のモデルの人物と出会ったのは彼が出所後、佐木さん
のところに前科十犯の受刑歴や生育歴が詳細に記された「身分帳」の写しを
送ってきて、これで小説を書いてほしいと頼まれたのがきっかけでした。
「身分帳」は本来、刑務所の内部資料で門外不出なのですが、彼は自分の裁判の
際に被告人の権利で全部書き写していたんですね。 一般には見られない資料
だから佐木さんも興味を持って、そこから付き合いが始まった。小説『身分帳』
は出所後の彼の生活を描きながら、随所に「身分帳」の記述が挿入される形に
なっています。西川 私は『身分帳』の映画化のために、主人公・山川一の
手掛かりを求めて、三年かけていろんな人に会って話を聞いたのですが、関係者
以外はこの小説の存在を知っている人がほとんどいなかった。「佐木隆三さんの
『身分帳』という小説があってですね」と言って反応があったのは唯一、現金
輸送車強盗をして何年間か刑務所にいた人だけでした。刑務所の中には「官本」
といわれる、受刑者が自由に読める本があって、その官本で読んだと言う。
:六角 官本で読んだ人がいるんだ。
:西川 photoええ。やっぱり自分たちの境遇に近いものに興味がいくそうで、
 「それまで読書なんかしなかった人でも、刑務所の内ではやることがないから、
ものすごく読書家になるんですよ」とおっしゃっていた。でもそれ以外は誰も
知らなくて、台本を読んだ六角さんに、「これ『身分帳』ですか?」と言われた
とき、ああ、うれしい! 読んだ人がいたんだと。それくらい、今はほぼ完全に
忘れられている本なのだと、取材の過程で実感したんです。こんなふうに
山川一の人生も、佐木さんがこれを書いた思いも全部忘れられてしまっていい
のかと、なにか義憤のようなものが湧き上がってきて。
 六角さんがなぜか冒頭陳述を読むのが好きだという、その気持ち、私にも
すごく分かるんです。別に自分で誰かを殺したいと思ったわけでもないけれど、
何か犯罪を描いたものに惹かれてしまう。六角 こういう言い方をすると語弊が
あるかもしれないけど、社会から外れてしまった人の話が、僕はきっと好きなん
ですよ。何かそういう空気に触れたい気がする。… ≫

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6932,映画観賞 〜『ジュディ 〜虹の彼方に』 
2020年03月07日(土)
   * 最後の30分が盛上る
 第92回 アカデミー賞(2020年)をはじめ、ゴールデングローブ賞など
数多くの映画賞で主演女優賞を受賞した映画などと、つゆ知らずに見た。
運動代わりのアピタのモールのウィンドウショッピングにきた、家内に…
『何気なく選んだが、これが思いのほか面白い。90〜95点。』に、家内が
帰宅直後、iPadでさっそく検索したところ、これで主役がアカデミー賞の
主演女優賞を受賞したことを家内共々、初めて知った。面白いわけである。
 薬物中毒で身も心もボロボロは、多くの有名歌手に多く存在する。
そのハチャメチャが何ともうら哀しい。舞台上の緊張感は、想像を絶するが、
これだけは当事者しか知り得ない。それをアルコールと薬物で何とか乗越える
姿は痛々しい。圧巻が、最後の30分にある。それに向かって、ストーリーが
組立てられていると言ってもいいほど、盛上る。 
 ラストソングの『虹の彼方に』が圧巻!

《  【解説】
◉ 「オズの魔法使」で知られるハリウッド黄金期のミュージカル女優
 ジュディ・ガーランドが、47歳の若さで急逝する半年前の1968年冬に
行ったロンドン公演の日々を鮮烈に描いた伝記ドラマ。
「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズのレニー・ゼルウィガーが、
ジュディの奔放で愛すべき女性像と、その圧倒的なカリスマ性で人々を惹き
つける姿を見事に演じきり、第92回アカデミー賞をはじめ、ゴールデング・
ローブ賞など数多くの映画賞で主演女優賞を受賞した。
◉ 1968年。かつてミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨した
 ジュディは、度重なる遅刻や無断欠勤によって映画出演のオファーが
途絶え、巡業ショーで生計を立る日々を送っていた。住む家もなく借金も
膨らむばかりの彼女は、幼い娘や息子との幸せな生活のため、起死回生を
かけてロンドン公演へと旅立つ。 
 共演に「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のフィン・ウィットロック、
テレビドラマ「チェルノブイリ」のジェシー・バックリー、
「ハリー・ポッター」シリーズのマイケル・ガンボン。
「トゥルー・ストーリー」のルパート・グールド監督がメガホンをとった。》
 ―
《 14歳のジュディ・ガーランドはバックステージで映画製作会社の
 社長ルイス・メイヤーから特別な才能を持っていると褒められていた彼女は
ミュージカル映画「オズの魔法使い」のオーディションに臨もうとしていた。
 それから数十年後ジュディは息子と娘を連れて小さな舞台でパフォーマンス
をしていた。ところいつも宿泊しているホテルに戻ると、支払の遅延から部屋を
追い出されてしまう。 仕方なくジュディは、元夫のシドニー・ラフトの家に
子供たちを連れて戻ることに。シドニーは子供のためにも住む場所を固定した
ほうがいいと提案するが、ジュディは子供と離れるのを嫌って拒否する。
 元夫の家にいたくなかったジュディはほかの夫との間にできた娘のいる
ホームパーティーに向かった。そこでジュディは自分よりも一回り以上若い
ミッキー・ディーンズと出会う。
 かつてジュディは10代の頃からショービジネスの世界で痩せることを強要され、
食欲を抑えるためにアンフェタミンを飲まれされていた。そのためで彼女の精神や
健康状態はボロボロだった。40代になったジュディは睡眠障害を抱え、アルコール
にも依存していた。そんな中でも子供たちと一緒に暮らすためにジュディは歌い
続けないといけなかった。みんなで住む家を買うためにイギリスに渡り、自分を
高く評価してくれるイギリスの観客を前に公演を行う。》
 ―
▼ 盛りを過ぎた中年女の悲哀を背景にした中で、もがき苦しみ生きている姿が
感動的でもある。それは、平凡な人たちにもある問題。 40歳代前半は、あと一花
咲かせるか、冬ごもりに向かうかの中年期真っ只中である。老年に踏出す大きな
分かれ道。精神も肉体的にも、踏ん張りどころ! そのウラ哀しい状態を、何とも
微妙に女優は演じている。なる程、主演女優賞を貰えるはず。
 遥か昔に故人になったから話すが、友人にも、親戚の一人が薬物依存症だった。
彼らの隠語に「ラリル」たる言葉がある。 酒の酩酊状態と同じ。あまり知られて
ないが…彼らの最大の特徴は平気で嘘を付くこと。彼らにとって、妄想と現実が
混乱し、錯綜し、脳内の物語こそ真実になるため、それは酷い。それに妄想が絡む
ため、周囲は、そのまま妄想を信じてしまう。ヤク絡みの痴呆症は、その周辺を
大混乱に貶めてしまう。薬物中毒は一朝一夕では出来やしない。 …としても、
物語は、真実より深く、ことの真実を表現し、捻じ曲げるというのも、本当である。

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6566,閑話小題 〜「空を飛びまわるにわとり」 ー3
2019年03月07日(木)
   * 情報が、モノから独り立ちした時代
 15世紀半ばにグーテンベルグの印刷技術が発明されて、情報が格安に普及
されるようになった。これは人から、大量の「印刷物」への情報の移動を意味する。 
そして550年後の21世紀には、スマートフォンなどで、「情報が紙と人間から解き
放され、一人立ちをした。この意味は甚大である。 その次は、2045年問題。 
<AIが人間から一人立ちをする可能性>が論じられている。情報化社会の到来が、
世界を激変させている。情報化の進展は、3,30,67%の社会格差が、より鮮明に
露呈する。一人一人が、強い絆で結ばれる反面、隔絶される社会の到来。
満員電車内で、誰もがイヤフォンを耳に、情報端末を見つめている社会。家に
帰れば、AIロボットが玄関で、お出向かい!  居間では大型TVを通し、仮想世界
の住人とコミュニティ。デジタル社会のニワトリとは、まさにこれ! 隣は何を
する人ぞ! そんな言葉さえ、死語になる。 かく言う私も、8年前から内向きに
なり、TVとネット世界へ独り閉じ籠もる生活に。 日常空間の重心が、居間から… 
寝室と書斎コーナーに移住?まだ、ブログで内的世界を開放しているため、精神
の淀みは少ないつもりだが… 哀しく寂しい不自然な内的世界の公開ですか? 
ニワトリから、鷹への移行は無理とでも、カラス? 渡り鴨? 鳶? 土鳩? 
ああ雀がいたが、本当に数が少い。ニワトリは、低空なら大丈夫だが高空は、
心臓が爆発をするため無理と聞いたことがある。とすると、このテーマ自体が
間違えている? いや… 船旅もあるか?

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5835,閑話小題 〜4k8kテレビの世界 −5
2017年03月07日(火)     
     < 体感!グレートネイチャー!「奇跡のビッグウェーブを追え!
           〜アメリカ ハワイ〜」(BSプレミアム)2月25日21:00
  * ビックウェーブのド迫力
 映し出される映像の圧倒的迫力に魅入って自分に、「いい歳をして、何を
しているのか?」の内なる言葉は軽く打ち砕かれる。ムササビスーツを着て、
頭の先にビデオカメラを装着してムササビのように滑空する録画や、大津波で
流される街の衝撃的映像を見るにつけ、魔物に憑かれたように冷静に見ている
自分に驚かされること屡々である。
 大空に展開されるオーロラや、アフリカのサバンナの野生動物の生死をかけて
生きる姿は、現地でないと分からない。 が、現在のデジタル技術は、それを
カバーするところがある。その一つが高さ20mのハワイの巨大サーフィン! 
色々な撮影手法で迫力ある波間の一瞬を映しだす。ハワイには、様ざまな要素
が重ねって神秘的な大波が打ち寄せる!
  〜NHKの説明では〜    
≪・ハワイ・オアフ島ノースショア。真冬になると巨大波が押し寄せる海岸線。
 20mもの波はエメラルド色の分厚い壁。重低音を響かせて白砂のビーチで
砕け散る。取材班は熟練のサーファーとともに、巨大波を追跡。目の当たりに
したのは高さ15m、5階建てのビルに匹敵する巨大な波。キラキラと輝きながら
刻々と形を変え、まるで生きたガラス彫刻のようにうごめく。 
 波の先端が丸まって円柱型のトンネルが形作られる「パイプライン」。
その内側の世界を熟練サーファーに取り付けた小型カメラで写し取る。
・なぜノースショアには大きな波が到来するのか?ハワイ諸島の空と海を縦横
無尽に探索し、たどり着いたのはホットスポット型噴火によって点々と並んだ
ハワイ4島の絶妙な位置関係。日本の嵐に端を発した波が、巨大波となって
たどり着く奇跡的なメカニズムだった。今までのグレートネイチャーとは一線
を画す、清涼感あふれるエンターテインメント大作。巨大波が放つ圧倒的な
自然美をたっぷりと体感する。≫
――
▼ サーフィンに魅入られ移住してきた父親と息子。父がパイプラインの中を
 サーフィンする一瞬を撮影する。本人の頭にはカメラがある。その迫力ある
映像の世界は見ている者にも共同体験の錯覚をもたらす。去年あたりから、
メガネ型動画プレイヤー が家電店頭に並ぶようになったが、これが次世代の
バーチャルの世界? あと10年、生きたくなってきたが… 3年間に圧縮可能?
 もっとも、今どきのハリウッド映画の世界は、バーチャルそのもの。
「達磨さん、ちょいとこっち向け、世の中は、月雪花に酒に女だ」の禅言葉が
あるが、毎週、異次元世界を見ているのに、今さら何を? 
 …で、次は「パンプローナの牛追い祭」 その次は、「リオのカーニバル」
「イグアスの滝」「グトルフォスの滝」「イスラエル巡礼の旅」。 …行って
見てないが、「メッカ巡礼」の集団礼拝が面白そう。 
  <行ったつもりの世界異境の旅>のテーマがコンセプト?


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5470,人生で最も大切な技術 ー28 フロー状態
2016年03月07日(月)
   * フロー状態を経験する
 金沢の衣料チェーに一年半ほど勤めていた時や、実家の衣料量販店で、
服に値札の糸通しをしていた時に、三十分も続けていると、奇妙な悟りの
ような奇妙な心持になる。これをフロー状態というらしい。〜その辺りより〜
≪ 誰にでも、一つの活動、実験または感情に猛烈に没入する、という経験が
あるだろう。クレアモント大学院心理学部のミハリ・チクセントミハイ教授の
提唱するフロー理論は、まさにそのことを論理化したものである。1960年代に
創造的なプロセスを研究していた同教授は、一つの事実に思い当たった。
 画家は、創造プロセスが順調なとき、作業に完全に没頭していて、完成まで
その状態に止まり、疲労も空腹も不快感も一切意識しない。作業が終わると、
突然に関心が消える。このとき画家は、「フロー状態」を経験しているのである。
その時間中は、自分のしていることへの没入のほうが、最終的な結果よりも
価値が高い。この現象に好奇心をそそられた教授は、活動の喜びが一番の
インセンティブとなる、画家、登山家、チェス名人、外科医、作家、肉体労働者
たちと数多くの面談を行った。同じ岸壁を十数回登ったロッククライマーに
とっては、頂上にたどり着くまでのプロセスが喜びであって、登頂はそれほど
重要でないのは明白である。特別の目的地もなしに、音楽を奏でながら、
またはトランプで一人ゲームを楽しみながら、ヨットで湾を巡洋するヨットマン
にとっても同じことが言える。このようなときに人は、「活動そのものに完全に
没頭している。エゴや時間を超越する感覚がある。どのような活動、動作、
思考も、前のものを引き継いでいる。それはジャズ演奏のようなものである。
自分の全存在が巻き込まれ、自分の技術を最大限に駆使する」。
 フロー論に近い状態まで心を没頭させること、ということを自ら発見した。
通訳で、講師が話している間は、心を完全に応えられる状態にしておく。
すなわち、心を一切の雑念が入り込まないように解放した白紙状態に保ち、
緊張を伴わないで注意を集中した状態にしておく。こうして耳に入る内容を
伝達する。それは、一杯になった水差しから別の水差しに中身を移し変えるのと
同じ作業である。出発点と講義の脈絡だけを記憶しておけばいいのである。
こうすれば続々と耳に入る詳細も、概して、骨を折らずにこなせる。
 心が注意集中状態でしかもリラックスしているので、長々した複雑な講義でも、
極めて忠実に再構築することができるのである。雑念や外的な出来事が翻訳の
フローを断絶する場合、魔力は消え、本筋に戻るのが難しくなる。
この事態に陥ったときは、いくつかの詳細が記憶から漏れる。数秒間、
心が真っ白になる。フロー状態を正しく経験するには、メモは取らないほうが
いいだろう。すべてがとんとん拍子に運ぶとき、スムーズな流れが穏やかな
喜びを醸しだしてくれる。自意識とは、自分自身の観察であるが、それが
事実上不在になり、疲労を忘れ、時間の経過は、遠くからは見えない川の流れ
のように、知覚することがなくなる。チクセントミハイ教授によれば、アイロン
掛けとか組立てラインなどの最も平凡で単調な作業中にフロー状態を経験する
こともある。ただし、経験するかしないかは、時間の経験の仕方にかかっている。
フロー状態を経験しない場合、事実上どの活動も、耐え難いとまでは言わない
までも、退屈でうんざりしてくる。同教授は、フロー状態に入りやすいタイプと
そうでないタイプがあることも発見している。≫ 

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