お茶の間 de 映画
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2005年01月11日(火) 「ゼブラーマン」すみません、泣きました。完璧です。表面はお馬鹿まるだし寄生系SFアクションコメディだけどさ。

『ゼブラーマン』2003年・日本
監督:三池崇史
脚本:宮藤官九郎
撮影:田中一成
編集:島村泰司
音楽:遠藤浩二
主題歌:ザ・ハイロウズ   『日曜日よりの使者』

俳優:哀川翔(市川先生=ゼブラーマン)
安河内ナオキ(車椅子の少年、浅野晋平)
鈴木京香(浅野の母親)
大杉漣(教頭先生)
渡部篤郎(防衛庁、及川)
内村光良 (一本木先生)
柄本明(変態カニ男)

ストーリー用ライン


2010年、横浜八千代市。
銭湯のTVには、市内限定で異様に増加する凶悪犯罪について
報道されている。

防衛庁では、地球外生命体が八千代市に棲息しているという情報を
情けないことに海外経由で掴み、出遅れた!とばかり焦った防衛庁長官は、至急、二名の秘密捜査員を派遣する。アホか、とやる気なしなしの捜査員。
だが、レーダーは確実に、地球外生命体の存在を示していた・・・。

八千代市立の小学校の体育館地下。
緑色がかった透明で固そうなクラゲっぽいでかい脳を持つ小人さん風の(※「マーズ・アタック!」の火星人に似ている感じですな)
エイリアンがひしめいている!! 


さて、この小学校の3年生の学年主任、市川先生、実にクラくボンヤリした小心者で、息子はいじめられっ子、娘は援交、妻は不倫と家庭は形骸化、しかもクラスも崩壊寸前。
主任っつったって、名前だけで教員をまとめてるワケじゃない。
使えないがクビにもできない、窓際ってことだ。
父親としても夫としても教師としても、誰にもアテにされず、
バカにされきっている。
「なっちゃいねぇなぁ。」市川はブツブツ呟きながら怪しげな衣装にミシンをかけている・・・。

市川の空虚なココロを喜びで満たしてくれるのは、自分が子供の頃、たった7話で放送打ち切りになってしまったヒーローもの、
「ゼブラーマン」に憧れ、自作のコスプレ衣装に身を包み、
座布団を相手にキメ台詞を呟き、1人プロレスをする時間だけ。

部屋の中だけじゃ飽きたらず、シマウマのコスプレでドキドキしながら自販機まで行ってみたりする市川先生なのだった。

そんな6月のある日、市川の学年に車椅子に乗った転校生が来た。
華奢な身体つきに眼鏡をかけた利発そうな少年、浅野晋平だ。
化粧っ気のない芯の強そうな母親に、障害児扱いは一切しないで
くれ、と強く頼まれ、ハトが豆鉄砲食らったような市川・・・。

この2人が、「ゼブラーマンの熱狂的ファン」という接点で年齢や立場を超え、強い絆で結ばれるのに時間はいらなかった。

ある夜のことだった。
どうしても、晋平にゼブラーマンのかっこを見せたくなった市川が
夜の町をこそこそ歩いていると、悲鳴が!!

小心者の市川だが、今はゼブラーマンである。
いつもの自分ではあり得ない何か強い力にひかれて現場に走る!
と、そこには殺された女性、そして、カニのかぶり物を被り、
ハサミを手にした変態男がっ!

きゃー、刃物ぉ!逃げまどう市川、襲いかかるカニ男!
ところがどうしたことか、ミラクルな戦闘能力が!?

カニ男を潰すと、そこから溢れ出る緑色のゼリー状の液体・・。

パトカーのサイレンに慌てて逃げ帰る市川=ゼブラーマン。
防衛庁は、刑事事件としては公表せず秘密裏に処理し、
液体を解析にまわした。
だが、この現場を、晋平が目撃していたのだった・・・。

防衛庁の及川はしつこく晋平につきまとう。
情報を公開しろ、と怒り狂って痔が切れるほど怒鳴る教頭。
市川も、児童につきまとうなと詰め寄るのだった。
及川とて、好きでやってるわけじゃないのだが・・・・。

この一件以来、市川はゼブラーマンになってしまった。
エイリアンの魔の手が市民にのびると、髪がたてがみのように逆立つ。市川は授業をほっぽってトイレで衣装に着替え、連日、エイリアンをやっつけ続ける。
次第に、その活躍は市民の知るところとなり、市川の息子も、父が実は正義の味方だと気づくのだが・・・・。

だが、そんなちまちました対応でどうにかなる相手ではなかった・・・。
エイリアンの正体と、その目的とは・・・!?

ヤケをおこした防衛庁長官は、ブッシュに頼んで中性子爆弾を
八千代市に落としてもらい、市内丸ごと焼き払う方向でずんずん話を進めていた・・・。

教頭先生はある決意を胸に、封鎖していた体育館に単身乗り込むが・・・・。市川は、教頭が自分に宛てた遺書を見つける。
後は頼んだ、Anything Goes!(為せば成る) と・・・。

教頭の真意はどこに?
八千代市が焼き払われるまであと僅か・・・!
市川は、修行のため、家を出た。息子の一言が、背中を押す。

がんばれ、ゼブラーマン!!!地球のために、息子のために、
そして、再び歩く勇気をゼブラーマンに賭けている晋平のために!!


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コメント用ライン


哀川翔主演100本記念作品。
いろーーーーんな古今東西アクション、ホラー、SFのパロディ満載で、小ネタや友情出演者らだけでもかなり楽しめると思うのだが、
バカみたいにアツくまっすぐで、そのくせミョーに脱力系で、そのバランスがたまらなくイイ!

子役陣がまたうまいんだな。「間」のとりかたがうまい、キーになる晋平役のコも、息子役のコも。
哀川翔とあうんの呼吸で、実に魅せてくれる。

紙に書いちゃうと、ふーん。ってなセリフも、いい役者が
絶妙の間でやればおおおっ!と唸ってしまうもんである。


哀川翔の、ダメっぽいゼブラーマンと、キメキメのかっちょえーーーゼブラーマンとの落差がまたいい。美術さんもなかなかやりますな。キメキメのほうは、バットマンも負けてませんぜ。
これは演技力あってのことなんで、思わず拍手。

もう、ラスト近くは泣き笑いですわ。
セリフや話に感動してるのに、可笑しくて可笑しくて、映像が。

白と黒のエクスタシー。

ですから。

「オレの背中に立つんじゃねえ」

ですから。

「白黒つけたぜ」

ですから。

これを哀川翔が言うんですから。

アニキ。あんたは、きっと爺さんになっても、アニキだよ。

あとね。
懐かしい感じがたまらない、小さめの白い字幕で
「防衛庁秘密会議室」とか「チロリアン」とか出るあたりも
ツボです。ちろりあんじゃ車じゃなくお菓子だぁぁぁぁ!!(叫

防衛庁の風呂とかケジラミとかはちょっとばかしスベってましたけども。いいんです、もう細かいことはどーでも。



さぁ、この物語、「SF/ボディ・スナッチャーズ」のように
やっぱ1人じゃ地球は救えなかったわ、となるか、
「アウトブレイク」のように伝染してない住民ごと焼き払っちまうか、「ヒドゥン」その他の王道ヒーローものように鬼の一念、岩をも〜、となるか!?

それはご覧になってのお楽しみ♪

で、どこで泣いたか、ですか?
教頭先生の執念と自己犠牲とマヌケさに泣き、息子と父親の最初で最後になるかもしれない親子らしい会話に泣き、浅野少年の一途な瞳に泣きました。
小学校低学年の子供いますもん、ツボぐーりぐりされちゃいましたよ。

で、シメにあの主題歌ですよ。
この映画、あーんまり若いヒトよりも、ちょっと人生に疲れ気味の
ヒトに、よりオススメです。

Anything Goes!なんて青いんだよ、ケッ、って
酒瓶片手にこぼしながら、やらないだけじゃん?俺。って
ほんとはココロの中でつぶやいてるアナタに、そしてワタシに。

日本も、いい映画創れるじゃん。
こういうオフビートなゆるい笑いが創れて、恋愛や不治の病や霊やヤクザがからまないものでもいいもんできるじゃん。

今のところ、面白かった、と断言できる邦画は「スワロウテイル」とこれだけ。実はけっこう観ているし、まぁそこそこ、いいんじゃないの?というのは数あるのだけど、日記にあげずにまぁいいやで済ませてしまうものの本数が実は圧倒的だったり。
まぁ要するに好み、相性の問題ですが、強烈にココロにパンチを食らわしてくれるような邦画に出逢えていない。

これぞという大好きな映画に出逢うには、やっぱり本数こなしてくしかないな、観てみなきゃわかんないもんな、と改めて思うのだった。


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