ある大学院生の日記

2005年05月11日(水) 世界のアメミヤ

あの雨宮健が短期客員研究員で来ていて、しかも集中講義をやっているというのでひょこひょこでかけていきました。Takeshi Amemiyaといえば「ノーベル賞に最も近かった日本人」として有名な計量経済学者だったかとおもうのですが、ぼくの大学院の同期にはそのことすら知らないひともいたようで、悲しい限りです。確かに、学者や学術雑誌の名前を知っていることは重要ではないのですがそれにしても。

言ってみると、知り合いの先生や同級生も数人いらしていて、ちょっとびっくりしました。肝心の雨宮先生は穏和そうなおじいさんで、さすがにStanfordが長いだけのことがあって、専門用語は随所で英語になっているのが気になりました。話の内容は、計量の証明というよりは手法の紹介といったところでした。てっきり、一致性の証明や、行列使いまくりの分散の推定といった話になるのかと覚悟していたので、ちょっと拍子抜けでした。かつて雨宮先生の学生だった助教授・教授がすっかり学生の眼になっていたのも印象的でした。

終わった後は、久方ぶりに大学院の同級生と学食でくだらない話をしながら昼ご飯を食べ、指導教官のところにでかけました。というのも、珍しく指導教官といっしょに仕事をすることになったからで、共著者の4人で集まってわいわいがやがやとお話をしました。「陰鬱な科学からの幸福なニュース」とかいう、最近話題の論文を意識しましょう、という話になったのですが、正直なところ、この論文が何をやっているのかよくわからず、お話としてはともかく論文としてはどうなのかしらんと思っております。Policy paperとなるとそんなことばかりを言っているわけにもいかないので、改訂してちゃんとしたペーパーにしましょうかねえ、という明るい結論になりました。しかしそれってまた仕事が増えるってこと?


 << past  Index  will >>


べべべ [MAIL] [HOMEPAGE]