ある大学院生の日記

2005年05月09日(月) 博士が100人

一部で話題になっている「博士が100にんいるむら」ですが、博士号がなかなかでないことで知られていた社会科学分野のにんげんにとっては、「その前に博士号自体がないやん」というややもすれば切ない感慨に囚われてしまいがちなのですがそれはさておき。知識立国ニッポンにおける社会科学分野の修士・博士課程修了者の社会的立場の低さというのは、極一部成功しているMBAなどを除けば、驚くべきものだ、理系がうらやましいと思っております。印象論ですが。きっと理系の博士号取得者(医学系含む)は、(助手やポスドクを経るにしても)大学や企業の研究所などに就職して、しやわせな人生を送っているのであろうなあ、それに引き換え経済分野なんて「学者先生には言わせておけばいいから」などとユーザに言われてしまい、「おもしろいからいいじゃないか」と開き直るにもちとさすがに気が引けるんでないかいな、と思っておったのですが、どうもそうでもないようで。「専門家」という存在に対する漠然とした蔑視や、それを軽視したまま進められた大学院拡充政策や、それについ乗ってしまった学生や、なんだかややこしいですなあ、といってここは逃げてしまいましょう。そんなことよりしっかり勉強せんと。公共ナントカの法螺を見てにやにやしているだけじゃあきまへんがな。

ちなみに、「博士が100にんいるむら」の本ネタは文部科学省の学校基本調査のようです。「博士号取得者の就業構造に関する日米比較の試み」というのもあるそうですが。


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