<3日から5日にかけて>
まあ、そんなこんなな新年の幕開けを迎えたわけだが、実家から帰る際に、母親があたしの着ていたジャケットをつかみ、
「こう言うの軽くていいわよねえ。この辺じゃ年より向けのこう言うのはなかなか売ってないのよねえ」
などと言われ、よくよく考えてみれば、5日は母の誕生日、しかも当年とって77歳、喜寿のお祝い、ちょうどいいから羽織ものを買うことにした。
翌日は出勤なので、帰りに買うことにする。そのまま配送を頼めば、何とかギリギリ誕生日当日には間に合うはず。
目星をつけていたジャンパーがあったので、選んでサービスカウンタへ持って行き、配送の手配をする。
あまり大げさにするのもなんだな、と思ったので簡易包装で、と頼んだものの、やはり喜寿のお祝い、と言うことで、箱入りにしてもらった。
誕生日に何か贈ったのは、結婚してから実は初めてかもしれない。
よくよく親不孝な娘だ。
今年は夫も3が日で休みが終わるということで、家族揃って出かけたのは実家に行った1日だけだった。
こどもたちの冬休みも2期制の関係か、若干短く、6日から授業が始まる。
そう、始業式はなく、いきなり通常の授業が始まるのだ。2期制とはなんともおかしな制度だ。
娘とは冬休みの間に、バレエのレオタードを買いに行く約束をしていた。
おばばからお祝いとして諭吉を何枚か頂いたので、それで買うことになっていたのだ。
子供たちと親子3人で、久しぶりに電車に乗って横浜に行く。
年明け早々のため、いつにも増してたくさんの人でごった返している。当然、電車でも座ることはできず、こども達は目的地に着く前にぐったり。
それでも娘は自分のものを買うのだからよいのだが、息子は付き合わされるだけだから不満たらたら。
娘があれこれ選んでる間中ふくれてブツブツ文句を言う。
「これを買い終わったらとりあえず何か食べに行こう」
レオタードとサウナパンツ合わせて1万3千円なり。
大枚が飛んでいく。。。
子ども連れで食事をするとなると、意外と横浜にはそう言う店は多くないように思う。
かつてあたしが横浜で働いていた頃はそれこそバブリーな時代であって、会席やらフルコースやら、ステーキやら、といったお食事ばかりしていたものだから、そういったお店を知らないだけ、と言うのはあるが、皆目見当がつかない。
とりあえず地下街を進み、ご飯粒が食べたい、と言い張る息子が、唯一反応した店に入る。まあ、もともとはビアレストランであるので、味に期待はしていなかったのだが、頼んだステーキは微妙に冷めていて、ナイフで切るのに苦労するほど固く、ちょっとがっかり。
息子が頼んだハンバーグはそこそこだったが、腹ごなしにはなったが、うまかった、とまでは言いがたかった。
親子で静かに食事をしていると隣の席にかなりご高齢の婦人が一人でやってきた。
あたしのマイは非通知です。