線路沿いの家。二階の窓枠にからみつくように夾竹桃が咲いている。蒸し暑い。雲がすごい速さで流れてゆく。夕方には晴れ間。駅前のビルのいつもは使わない抜け道を通ると、思いがけず見晴らしのいい場所に出た。高いところから見ると、この街はこんなに木々に囲まれているのだ。葉っぱの緑の気配が濃くなる季節。景色がにじんで見えるのは熱気のせいか、風邪気味だからか。