日々雑感
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路地裏の突き当りにあじさい。あまりに濃い青色。あじさいが咲く頃というのは青い花の季節なのだ。
青い花がある風景というと『銀河鉄道の夜』を思い出す。銀河鉄道に乗り込んだジョバンニは、カムパネルラといっしょに窓の外を眺め、線路のへりになった短い芝草の中にりんどうが咲いているのを見るのだ。あいつをとって、また飛び乗ってみせようかというジョバンニに、「もうだめだ。あんなにうしろへ行ってしまったから」とカムパネルラは答える。「もう次から次から、たくさんのきいろな底をもったりんどうの花のコップが、わくように、雨のように、目の前を通り、三角標の列は、けむるように燃えるように、いよいよ光って立ったのです」。
夕方から雨。部屋の中でその音を聞く。
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