日々雑感
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送り盆。灯籠流しの日。
夕方、灯籠を手にした人たちが船着場に集まってくる。家族でやってくる人、ひとり灯籠を抱えて歩いてくるおばあさん、ざわめきとその中に響く読経の声。灯籠は次々に小舟に乗せられ、ろうそくに灯りがともされてゆく。風が強い。雲が変にぎらぎらと光っている。灯籠の灯りも風に揺れる。
やがて小舟は海へ出て、灯籠がひとつずつ水面へと置かれてゆく。だんだんと暮れてゆく風景の中、ゆっくりと海の向こうへと消えてゆくいくつもの灯り。岸には、手をあわせながらその様子を見守る人々の群れがいる。
夜、肌寒い。長袖を着る。灯籠といっしょに夏も見送ってしまったらしい。
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