日々雑感
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2002年08月01日(木) かき氷のある世界

今年はじめてのかき氷を食べる。

小豆、ブルーベリー、金柑の3種類があって、その中から金柑を選ぶ。漆塗りの小さな器にさっくりとした氷、そこに金柑の砂糖漬けがのり、シロップがかかっている。金柑のかき氷など初体験だけれども、甘さと酸っぱさのバランスが絶妙。色合いもきれいだ。冷たくて後頭部のところがキンとする。

氷の山を崩しながら、かき氷というのは不思議な食べ物だなあとふと思う。氷を削って、シロップをかけただけのもの。口の中に入れればすぐに溶けて消えてゆく。ものすごくはかなくて頼りなげだ。いっしょに食べていた友人にそう言うと「要は水だもんね」と返され、よくわからないながらも何となく納得する。

それでも、かき氷は幸福度の高い食べ物だ。目の前に置かれたときから期待がたかまり、何よりスプーンで氷をすくうときの、あの感触と音がいい。栄養があって「身体」に良いという食べ物ではないかもしれないが、「気持ち」には良い食べ物だと思う。かき氷のある世界はすばらしい。

夜、遠くで雷が聞こえる。雨も降ってくる。夏の真ん中。


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