日々雑感
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夏といえばビヤガーデン。というわけで、友人とビヤガーデンに行く約束をする。
本屋で待ち合わせ。文庫の新刊コーナーに『地図のない道』須賀敦子(新潮文庫)が平積みされている。ヴェネツィアについての文章だ。既に読んではいるけれども、こうして文庫になるとまた一冊手元にほしくなる。本屋の中でその一角だけ特別な空間に感じるのは、きっとこの本に思い入れがあるからだろう。
暗くなっても気温は下がらず。ビール日和といえばそうなのだが、あまりの蒸し暑さに「冷房がきいてる店のほうがいいかね」と軟弱にも主旨を変更、韓国料理屋へ行く。
ビルの上にある店に入ってみると、鍋料理を頼む人が多いせいか、こちらも外に負けずにむっとした空気。大きな扇風機がぶんぶん回り、規則正しくぬるい風がやってくる。うちわ片手に鍋をつつく人。真っ赤な顔して焼肉を食す人。しかし、辛い鍋や海鮮パジョンなど食べているうちに、何か血のめぐりがよくなったような気がして、暑さもむしろ気持ちよくなってくる。「暑いときには辛いもの」という言葉を身をもって体験する。
夜、銭湯へ。「暑いときには熱い湯」がいい。番台前で常連さんたちが「昨日のほうが暑かったよね」「いや、絶対今日のほうが蒸し暑い」などと暑さ談義をしている。外へ出ると、茹だったような不気味に赤い月。今日も熱帯夜か。
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