いただきます。...じゅん

 

 

最後の恋人・2(つづいちゃいました(汗)) - 2001年11月14日(水)

まーさんと過ごす時間はびっくりするくらい優しくて穏やか。
毛布に包まるように暖かくて落ちつく。
でも、ささいな事で時折寂しくなる。
ささいすぎて、言い出せない事。
例えば、まーさんがいつもあたしに背を向けて眠る事。
(最近わかったけど、寝ついた後はまたこっちを向いてにじり寄ってくるので、まぁいいか)
例えば、他の女性の話をする事。
白さんが奥さんの話をしても、ちっとも嫌じゃなかったのに。
そう比べる自分を日々、責めつづけた。
不安で不安でしかたない日々が続いた。
そして、気付く。
不安なのは愛されていると思えないから。
好きだと簡単に言わない白さんの押し殺した好きの方が
簡単に好きだというまーさんの好きよりずっと重かった。
眠りに落ちても全身で私を求めてすがる白さんと
頼られる事はあっても、すがった事なんてないまーさん。
まーさんとの日々は健康的なのだろう。
でも、あの濃密な感覚を覚えた身には薄過ぎて、
愛情がわからなくなりそうになる。

そして・・意外なくらい重要だったのが・・体の相性だった。
多分。あたしと白さんは体の・・と言うか行為に求める気持ちや
抱いてるファンタジーが似通った人間だったのだろう。
言葉だけで感じあえるくらい、言語感覚も似通っていた。

だから離れてしまったとき正直心だけじゃなく寂しかった。
まーさんに抱きしめられても埋まらなかった。
欲されていると言う感覚に、
離れたくないほど触れつづける事に飢えていた。
ちょっとしたきっかけで、白さんとは再び
抱き合うよりも昔のように言葉を交わせるようになった。
彼と話していると心がさざめく。
遠く離れて会うことが出来ないから、罪の意識は少なく話すけど。

白さんは多分、最後の恋人。
ただ、好きなだけでいた人。
まーさんの背中にもたれて眠るとき、私は何を求めてここに来たか思い出す。

「あなたのいる場所があたしの家ならいいのに」

まーさんは、最愛の家族。
100%の満足なんてこの世にはないけど、
私は出来るかぎりまーさんを喜ばせたい。
まーさんは出来るかぎり私を幸福にしたい。

グレーのフリースを羽織るまーさんは「良いお父さん」のようだといつも思う。
その胸にぎうっと抱きついて頬を寄せる瞬間の幸福は、歓び以上の喜び。
いつまでもそばで、くしゃくしゃになりそうな笑顔でいたいと思うよ。


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