Opportunity knocks
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2004年03月18日(木) 確かに残っていくもの

見たもの聴いたものは記録として形に残せるけれど、嗅覚、触覚で感じたものは残し様がないね、ということを友達と話す。
つまり映像や音は形として残すことができて、なおかつそれを見たり聴いたりしたとき感じたことを容易に再現することができるけれど、嗅覚や触覚で感じたものははっきりした形として残すことができない、という話。
でもだからこそ、そういうものって大切でいとおしいんじゃないかなとおもう。

話はそれるのだけれど、ポール・オースターの「トゥルー・ストーリーズ」(今読み勧めている途中)に関する記事が雑誌に書かれていて、そこに興味深いことが書いてあった。オースターの奥さんのシリ・ハストヴェットがオースターに言った言葉なのだけど、「小説を書くということは、今まで起こらなかった出来事を思い出すということではないだろうか」たぶん正確な文章じゃないと思うけど、このような内容だったと思う。
今まで起こらなかった出来事を思い出すってどういうことなんだろうね、と友達と話したのだけどたぶんそれは形に残らない記憶の中から何かを紡ぎ出すということなんじゃないかと、なんとなく思った。今までその人が生きてきた中で積み重ねられてきた様々なもの、それは今までは何の形にもならなかったことだけど、それを拾いだして一つの形として表出させたものが小説というものなのではないかと。
あくまでわたしの捉え方なのだけど。

人生における様々なものの中で、見たり聴いたり感じたりしたことはしっかり記憶の辺土に積み重ねていこうとおもっている。それがいつかひとつの形として現れるものなのかどうかはわからないけれど、それでも大切にしていこうと思っている。


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