Opportunity knocks
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| 2003年04月23日(水) |
「カスターブリッジの市長」 |
「カスターブリッジの市長」読了。 昔の話(19世紀半ば)の話なので、いささか古臭く感じるところもあるのだけど、結構良い小説だった。
激情にかられたあげく、妻を競りにかけて売り飛ばしてしまったヘンチャードという男の、その後の人間的再生と破滅の生涯というのがこの小説の大まかなあらすじ。 ヘンチャードは、自分なりに人生を良くしようと頑張っているのだけど行動は短絡的で、自己中心的なものの見方しかできない。そして運命も悉く彼を裏切っていく。ヘンチャードは自分を良い方向へ導きたいともがきながらもどんどん破滅していく。
面白いなと思ったのは、「性格とは運命である」というノヴァーリス(ドイツのロマン派の詩人)の言葉を引用しながら、運命とは必然なのか偶然なのか、つまり人間の人生はいったい何に左右されていくものなのかということを、読み手に対して問いかけているところ。 なかなか読み応えがあった。
トマス・ハーディの小説は今日ではオールド・ファッションなのかもしれない。都会的ではないし、小さな小さなコミュニティにこだわっている。でも、わたしはそういう小説が結構好きだ。舞台となる土地の匂いや空気や肌触りが感じられるような、そんな小説。
また機会があればほかの著作(「テス」や「日陰者ジュード」などなど)も読んでみたいと思う。
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