水野の図書室
Diary目次過去を読む未来を読む
皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2020年03月31日(火) 北村薫『ビスケット』

「遠い唇」(北村薫 著/角川文庫)の掉尾を飾る『ビスケット』。
読み応えがありました。

《作者の意図》を伝える付記に、作品への深い思いが滲みます。


場所は大学の研究室。
アメリカ人の客員教授のプロフィールに興味津々。
こういう人、私も会ってみたいなぁ。
楽しいエピソードを織り交ぜながら話が進むのですが──。

ダイイングメッセージをめぐる謎解きは、犯人がわかってもモヤモヤ。
犯人の告白がせつない。
犯行に至るまでの心の揺らぎが見えてくるよう。

タイトルの『ビスケット』という素朴でかわいらしい響きが余韻を強くします。


水野はるか |MAIL
Myエンピツ追加

My追加